-Episode48- ページ49
制服姿以外の三人を見るのは新鮮で電車の中でずっと見ていて笑われてしまった。
いつも乗っている人が少ない電車は季節外れの花火大会ということもあってか賑わっている。
家入「着いたー」
「一旦、休憩したい」
夏油「そこにベンチがあるから休もうか」
五条「体力ねェな」
家入「体力とかの問題じゃない。圧よ、圧」
硝子の言葉にうんうんと頷く。
ベンチに座ると硝子が煙草を吸い始めるので私も吸った。
夏油「飲み物いる?」
「私はいいや」
家入「私もー」
五条「俺、コーラ」
夏油「悟には聞いてない」
家入「私、Aとのんびり行くからアンタ達先行って来なよ」
五条「だってよ、傑行こうぜ」
夏油「何言ってるんだ。危ないだろう」
五条「あァ!?Aも硝子も強いだろうが」
夏油「あのなー、此処にいるのは一般人」
「体術は二人には負けますが私も出来ますのでお先にどうぞ」
五条「ほらな」
夏油「全く」
五条「花火の時間になったら何処だっけ…」
家入「その辺にある寺集合」
夏油「食べたい物があったら連絡しておいてくれ」
「ありがとう」
二人は人の波へと消えて行った。
家入「髪紐、よく似合ってる」
「悟がくれたの」
家入「うん、授業中ずっと編んでた」
「え」
その言葉に煙草を煙草を落としそうになる。
家入「そんな動揺しなくても分かるよ」
「どうして分かったの?」
家入「電車でずっと大事そうに見てたんだもん」
言われた途端に顔に熱が集まる感覚。
家入「顔真っ赤」
「硝子ー」
片手で顔を押さえた。
家入「ほら、行こ」
「うん」
手に持っていた煙草を煙草で山になった灰皿へ押し付けて私達も人の波に乗る。
あれもこれもと食べたい物を買ったせいで両手にはビニール袋、手には林檎飴。
寺に続く階段を上っていると後ろから声を掛けられた。
五条「うわァーめっちゃ買ってる」
「食べる?」
林檎飴を差し出すと受け取ったくれた。
夏油「さっきも食べてただろ」
「そうなの?」
夏油「あァ、かき氷にカステラも」
「ほんと甘い物が好きなんだね」
笑いながら頂上の階段より少し手前に座った。
買って来た物を広げていると花火が打ち上がる。
大きなのから小さいのまで眩い輝き。
目線だけを隣に座る悟に向けると目が合う。
花火が六眼に反射して今までで一番触れたいと思った。
小指を悟の小指に巻き付かせると強く握られる。
その瞬間、大きな花火が打ち上がった。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年8月8日 22時