-Episode39- ページ40
日々、配置を替える扉の一つを開けると最下層に行ける昇降機に続く廊下が現れる。
真っ白の廊下を歩き昇降機に乗り、最下層へと行く。
音も匂いに無い空間。
昇降機が止まり、薄暗い廊下を抜けると巨大な御神木が見える。
回廊を慣れた足で進み御神木の真下に行く。
張られた結界内に入ると何も無い気持ちが悪くなりそうな空間に入る。
そこに彼、天元は立っていた。
天元「久しいな」
前に会ったのはこの体の三つ前だ。
年数はもう覚えていない。
「時機に同化だな」
天元「あぁ」
初めて会った時と随分と姿が変わってしまった天元が私に近づく。
天元「星漿体の任務は、五条悟と夏油傑に任せようと思う」
「いいかと」
天元「顔は嫌だと言っているようにも見えるが」
その言葉にどう返事をしたらいいか分からなくなる。
天元「そなたが情で振り回されることもあるのだな」
「人、だから」
そう言うと天元が笑ったような気がした。
「今回の同化はなんだか胸騒ぎがするのは私の勘違いか？」
天元「どうだろうな。失敗した時は…」
「分かっている」
被せるように言葉を放つ。
天元「うむ。やはり獄門彊の所持者は羂索か」
「まだ断定は出来ていないがあんな忌み物を持っていようなどと考えるのはヤツしかいない」
天元「羂索は五条悟を獄門彊で封印する」
「まぁ、そうだろうな」
六眼と無下限の抱き合わせなんて障害に決まっている。
天元「殺せるのか」
「今の我には二択の選択など無い」
つい、感情的になってしまい一人称が変わってしまった。
「殺す」
それだけ天元に言いたかったから今日、此処に来た。
踵を返して結界から出ようとする私の背中に言葉が投げられる。
天元「近衛A、いつかお前の呪いが解けるとこを願う」
答えずに結界を出ると重たかった体が少し軽くなった気がした。
昇降機で扉に戻る。
扉を開けた少し先に人が立っていた。
生憎、逆光のせいで顔が影でよく見えない。
近づいて行くとやっと誰か分かった。
「任務でしょうか？」
五条「アイツと飯、行くの」
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
