-Episode37- ページ38
次々に渡してくれるおかずの一つ、一つを硝子や傑が説明してくれる。
悟は時々それに文句を言っていた。
まだまだ食べたいのに箸が止まってしまう。
夏油「もうお腹いっぱいですか？」
「もっと食べたいんですけどそうみたいです」
家入「夏油、容器ってあったけ？」
夏油「うん、棚に仕舞ってあるはずだよ」
二人が席を立ち、キッチンに行ってしまう。
五条「明日、何すんだよ」
大きな唐揚げを箸で掴んでいる悟に言われる。
「明日は天元様の所に行きます」
五条「は」
掴んでいた唐揚げが元の皿へと落ち転がる。
「来月から暫くの間、海外にある呪物を回収しに行きますのでその話をしに行きます」
氷が溶けてしまい温くなったお茶を一口二口と飲む。
「その他にもありますがこれは私の口からは言えまん」
もうじき迎える星漿体との同化。
五条「呪物って」
夏油「言えるわけないだろう」
五条「はァ？俺達、特級だぞ？」
夏油「だとしてもだ」
家入「海外からはいつ帰って来れそうなんですか？」
箸を置いて腕を組んで考えてみるがいつ帰って来れるかは分からない。
それもそのはず回収する呪物は、天元の結界をすり抜けた特級呪物獄門彊なのだから。
息を深く吐く。
「いつかは分かりません。でも、帰って来たらまたこうやってご飯を食べてくれませんか？」
不思議だ。
確実に獄門彊を所持している人物は羂索なのに死の言葉がちっとも頭に浮かばなかった。
悟の顔を見ると六眼と目が合う。
「アイスも」
五条「破ったら」
「破りません」
夏油「残り二週間か…」
小さく傑がカレンダーを見ながら呟く。
四月ももう終わりに近づいている。
早いな。
家入「これ明日食べれるようだったら食べて下さい」
私が気に入って食べていたおかずが詰め合わせになった容器を渡される。
「ありがとうございます」
夏油「悟、寮まで送ってあげな」
五条「えー」
夏油「私は君に代わって報告書を書いているんだ」
五条「はいはい」
「今日はありがとうございました。凄く楽しかったです」
先に席を立って歩いて行ってしまう悟の後を急いで追いかけながら言う。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
