-Episode34- ページ35
旅館の前に下りると入り口にあるベンチに座っている硝子と目が合う。
家入「よくあの雨の中見つけれたな」
五条「コイツの残穢、他と違って分かりやすいんだよ」
家入「へェー」
五条「足、呪いにあてられてるから」
家入「そのまま連れて来て」
静かな廊下を歩いて部屋に入った。
寝室の端に傑が眠っているが見える。
家入「アンタ、風呂でも入って来なさいよ」
五条「は？」
家入「そのままだと風邪引くわよ。それにAも服脱いで貰わないといけないし」
悟は私を入り口に下ろしてくれた。
家入「大浴場は一個上の階」
寝室の襖を閉めながら硝子が言う。
五条「ん」
悟が出て行ったタイミングで制服を脱ぐ。
下着姿で居間に移動すると旅館の浴衣を渡してくれるのでそれに一旦着替えて行く。
家入「それ」
「…おまじないです」
太腿の内側にある五条家の家紋。
隠すように浴衣の帯を締めた。
畳の上に座ると正面に硝子が座り、足首を見る。
変色し爛れていた。
治療が始まる。
家入「アイツのご先祖様ってのはアイツと似てるんですか？」
「見た目はそっくりなんですけど纏っている雰囲気が違います」
家入「へェー、アイツは甘やかされて育ってるんでウザイですよね」
「ウザイ？」
家入「えっと、鬱陶しいとか思いません？」
「三人を見ているとなんだか心が温かくなるので鬱陶しいとかは思ったことはありません」
家入「あれを見てですか？」
「はい。人の幸せを見ているのが好きなんです」
家入「だから呪術師をずっと辞めてないんですか？」
「それも一つの理由ですが私と天元様は協力関係にあるので呪術師は辞めれないですね」
窓の外を見ると濃かった霧が薄まっていた。
五条「自分の幸せは？」
窓から視線を越えのした方に向けるといつの間にか風呂を終えた悟が入り口に立っていた。
「自分の幸せ」
自分の口で言われたことを言ってみるが自分は何で幸せを感じるんだろうか。
「分かりません」
五条「んなことだろうと思った」
どう答えたらいいか正解が出てこないでいると悟は寝室へと入って行ってしまう。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
