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-Episode27- ページ28

夏油「本当に先に行くんですか?」

「はい、先に言って帳を下ろしておきます」

補助監督の運転する車に乗り込んで行く三人に伝える。

五条「どうやって行くか知らねェけど乗って行けよ」

「私が乗ると狭くなってしまうので」

夏油「術式を使って行くのでしたら温存のためにも、ね?」

家入「クズ共のどちらかが助手席に乗ればまだ狭くないですし」

「皆さんが良ければ…」

家入「乗りましょう」

袖を引っ張られて後部座席に乗ると左隣に硝子が乗ったが右隣にどっちが座るかで外で言い争いをしていた。

「やっぱり私、出たほうが」

家入「すぐ終わるんで大丈夫ですよ」

硝子の言う通りすぐにどっちかが乗るのは決まったようだ。

夏油「狭かったら言って下さいね」

五条「傑、てめェのほうが体格いいんだから狭いに決まってんだろうが」

夏油「負け惜しみかい?」

五条「てめェ!」

「お、落ち着いて下さい!」

夏油「そうだぞ、悟。一刻も早く目的地に行かないと行けない大人しくしてくれよ」

五条「覚えとけよ」

夏油「はいはい」

高専から富士樹海にある廃旅館までは、車で二時間。

五条「途中のサービスエリア寄れよ」

『ですが』

五条「いいだろ?」

『わ、分かりました』

そんな会話が前から聞こえて来る。

車のゆったりとした速さ、嫌じゃない人の匂いに睡魔に襲われ始めた。

重たい瞼に逆らうがそれすらも出来なくなって私の意識は夢へと落ちる。

「五条様!外に外出の際は私に一言言ってからにして下さい!」

『A、今日は非番だろ?』

「そうですけど五条様に何かあったら…」

『いつまでも僕を子供扱いしないでくれよ。確かに多額の懸賞金がかかっているのは知っているだけどこれでも五条家当主だ。自分の身は自分で守れる』

「ですが!」

『そう怒らないでくれ。今日、町へ行ったのはAとこれが食べたかったんだよ』

白い粉を纏った饅頭が二つ。

『お茶を淹れて、縁側で食べよう』

「すぐにご用意します」

『いい、縁側で待っていてくれ』

「分かりました」

鹿威しの音が近くで聞こえる音と同時に目が覚めた。

懐かしい夢を見たな。

重たい瞼を開けると至近距離に傑の顔があった。

「あ、れ」

驚きに声が途切れ途切れになると傑がこちらを向く。

また近くなる。

夏油「おはようございます」

「わっ!ごめんなさい!」

夏油「大丈夫ですよ。素敵な寝顔を堪能出来ましたから」

最後、何て言ったか聞き取れなかった。

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年8月8日 22時

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