-Episode26- ページ27
楽しさに笑みを溢していると後ろに気配を感じ振り返ると補助監督が一人。
振り返っている私に気づいた三人もそちらを見る。
補助監督の腕には紙。
五条「連日の任務はだりィって」
夏油「悟じゃないかもよ？」
階段を下りて来た補助監督に頭を下げると向こうも同じように下げた。
『二年、近衛A。一年、五条悟、夏油傑、家入硝子。四名に特別任務です』
五条「特別任務？」
「近年増加傾向にある呪詛師が関わっている任務のことです」
夏油「どういった任務で……」
『今年、一月に起きた富山での呪詛師による殺害事件の任務です』
「それは私が行ったのとは別ですか？」
『いえ、現場に残っていた残穢が今回のと同じだったので同一犯かと思われます』
補助監督が腕に抱いていた紙を捲りながら言う。
『残穢を追っていた三級術師二名、補助監督一名の死亡が確認されています』
「残穢の最終地点は何処でしょうか」
『富士樹海付近、廃旅館となります』
家入「前回の時はどんな任務内容で行ったんですか？」
「猟奇的殺人の為、警察の方々が直接にこちらに頼んで来たんです」
見えない人達は私達のことをあんまり信用していないからあまり仲が良くない。
手柄を横取りされたと嫌味も言われることもある。
「それで私が行った時には既にそこはもぬけの殻からで呪霊もいませんでした」
家入「殺された人達はどんな感じだった？」
「特殊な呪具を使った形跡が傷口に微かに残穢が残っていました」
五条「呪具とかの残穢とか分かるもんなの？」
「呪具を制作したのは近衛家なので一つ一つに見えない家紋が施されているのでそれを私は辿れます」
『呪詛師の生死は問いません。呪具の回収をお願いします』
「分かりました」
夏油「だとすれば近衛さん一人か私達のどちらかで良くありませんか？」
五条「だよなー。硝子まで連れて行く必要性ねェよ」
『上層部からの指示なので』
二人のことを怖がってか目を逸らして言う補助監督。
「つかぬ事をお伺いしますが補助監督は貴方が付いて下さるのですよね？」
『え、えぇ』
「それでは車のご準備お願いします」
そう言うと小走りで去って行く。
五条「なんであんなこと聞いたんだよ」
「なんとなく不安になってですよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
