-Episode2- ページ3
Satoru Gojo side
入学四日目の朝。
数日もすれば葉桜へと変わる桜の下を歩いていた。
鬱陶しく舞う花びらと共に焦げ臭い匂いが鼻に香る。
近くに同学年の家入硝子がいただろうかと思ったが隣には、夏油傑が一人。
夏油「どうかしたかい？」
五条「別に」
不意に見上げた時だった。
視界の端に赤が揺れ動くのが見えた。
ゆっくりと顔を横に向けるとベランダから俺達を見下ろしている女。
タンクトップに短すぎる短パン。
そこから出ている四肢は陶器の様に白い。
夏油「知り合いかい？」
五条「いや」
互いに言葉を発しないでいると女は咥えていた煙草を口から離し、白い煙を吐き出しながら指差しこう言った。
「校舎ならそっち」
揺れる木々達の音にかき消されそうな儚い声が俺の耳に届く。
その時、何故かサングラス越しじゃない女を見たいという衝動に駆られ気づけばサングラスを外していた。
長い赤髪が揺れると邪魔そうに耳にかけると額に剥がれかけの絆創膏が見える。
とても綺麗な人だけど可愛らしい一面もあるんだなと考えたら自然と口角が上がっていた。
頭上から何かが落ち、俺のつま先に転がって来る。
女が吸っていた煙草だ。
残り半分になっている煙草を俺は踏み消した。
そしてもう一度、女の顔を見上げるともういない。
夏油「行こうか」
五条「今日から二年の奴が俺らの任務に同行するんだろ？だりィ」
夏油「君が派手にビルを壊すからだろ？」
五条「…ッち」
入学二日目にして傑と揉めた時に、現れた雑魚をつい力加減も忘れて倒した際にビルを二つ程消した。
補助監督に報告され、俺達に言い渡されたのは一ヶ月二年生が任務に同行すると言うこと。
これで雑魚な二年生が来たらたまったもんじゃねェな。
Satoru Gojo side end
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
