-Episode19- ページ20
部屋の一つずつを確認したが三階も何も無し。
試しに窓の外から顔を出して外を見て見るが変わったことは無い。
四階、五階、六階も廊下に紙が散らばっているだけ。
腕を組みながら七階へと上がっていると一瞬、鍵のかかるような音が聞こえた。
すぐに階段を飛ばして廊下に上がったがその音以降は何も動きは無い。
五階ぐらいで上から下りて来ている五条悟に会うと思っていたが下りて来ないな。
急ぎ足で七、八階と見た。
最上階の九階、鞘から刀を抜刀し息を潜めて最初の会議室と書かれた部屋に入る。
転がっているテーブルと椅子。
破れたカーテンは人が破いたとは思えない切れ方をしていた。
会議室を出て、次の部屋に入ろうとする横にある給湯室が目に入る。
何故か小さな給湯室に似合わない大きな冷蔵庫を開けたい衝動に駆られ開けた瞬間、背後で鍵の閉まる音が聞こえた。
急いでドアノブを回すが開かない。
扉に付いたすりガラスに影が映るがそれはすぐにいなくなる。
刀に呪力を纏ませ斬り込もうと構えると重たい物音が近くでした。
振り返ると冷蔵庫の扉が開いている。
黒い塊が床に転がっていた。
切先をそちらに向け徐々に距離を詰めて行く。
その途中で電気のスイッチを入れると電気は通っているのか付いた。
黒い塊の正体が分かった瞬間に私は刀を放り投げ駆け寄る。
「五条様!」
倒れている体に触れると物凄く冷たい。
横を見ると冷蔵庫だと思っていたのは冷凍庫だった。
他にも足や腕が入っているが今は後回しだ。
「五条様!五条様!」
まだ体は膠着していない。
でも、意識が…。
正座し、顔を膝の上に乗せる。
冷たくなった頬を両手で包み、深く息を吸って慣れない反転術式を使う。
じんわりと手の平が温かくなると瞼が動いた。
ゆっくりと六眼が顔を出す。
「五条様!」
五条「……呪霊!」
すぐに起き上がり私の両肩を掴まれるがまだ力が入らないのか私の方に倒れて来た。
「まだあまり動かないほうがいいかと思います」
背中を擦ると五条悟の肩が跳ねた。
そう言えば私、あまりにも焦りすぎて五条様と呼んでしまった。
聞こえていないといいけど。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年8月8日 22時