-Episode17- ページ18
同じ間取りの部屋なはずなのに違和感を感じる。
物は少なくテーブルの上には食べたことが無いお菓子達の山。
どんな味がするのだろうかと考えていると背後の扉が開く。
五条「それに座れ」
きっと普段は報告書などを書く時に使う用の机と椅子の椅子を指差された。
頷き座ると背後に立たれるとドライヤーのスイッチが入る。
頭に被っているタオルを取られ髪に熱風が当てられた。
手櫛はちょっと痛いが心地良い。
五条「地毛なの？染めてんの？」
「不思議と生まれてくると髪赤いんです」
五条「へェー」
渇いた髪を手に取って遊ぶ。
五条「ご先祖様は、俺と似てるの？」
ドライヤーの音が消えると次は、櫛で髪を梳かれる。
「とても似ています」
部屋に私の声が響く。
五条「そ。髪紐は」
「あ、えっと…」
浴室の鏡の前に置いてある。
五条「部屋？」
「はい」
深い溜息が聞こえた。
「だ、大丈夫ですから！」
何も無い空間に手を伸ばすと中に黒い靄が生まれる。
そこに手を伸ばして引き抜くといつも付けている髪紐が現れた。
靄はすぐに閉じる。
髪を纏めて縛ろうとすると髪紐を取られた。
あっという間に髪は一つに纏まる。
「ありがとうございます」
五条「行くぞ」
扉が閉まる音が聞こえるので急いで追いかけた。
歩くスピードが全く違うので置いて行かれないように小走りで走る。
門を出て数分歩くと無人駅が見え始めた。
電車を使うなんて久しぶりだなと考えながら切符を買って構内へと入った。
次の電車は十分後。
先に到着していた五条悟はベンチに座っていた。
隣に座るのは気が引ける。
少し距離と置いたところで立って電車を待つ。
反対側のホームを見ると仲良さそうに話をしている恋人同士がいた。
その近くにある自動販売機の上に小さな呪霊の姿。
指を弾くと呪霊は消えると目の前に電車が来る。
五条「わざわざあんなのに呪力使うことなくね？」
「いつ変異して大きくなるか分かりませんので」
五条「あっそ」
開いた扉に入って行く五条悟の後に続いて入る。
そして人、一人分空けて座った。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
