-Episode14- ページ15
五条「で、やるのかやらねェのかどっちだよ」
「何をするんですか？」
五条「決まってんだろ！た・い・じゅ・つ！」
夏油「近衛さん、任務で寝てないんだぞ！私でいいじゃないか！」
家入「また始まったよ。今の内に逃げましょうか」
戸惑っている私の手を家入硝子が優しく握って引いてくれた。
後ろから聞こえる声を無視しながら。
「あ、あの、良いんでしょうか」
家入「いいんですよ。あんなの相手にしてたらキリがありません」
寮の前に辿り着くと家入硝子は不思議そうに見つめていった。
家入「どうしてあっちの新しい所じゃないんですか？」
「あのベランダで吸う煙草が美味しいんです」
家入「へェー」
「吸ってみます？」
箱を出すと家入硝子は笑って自身のポケットから煙草を出した。
その瞬間に見つめ合って笑い合う。
家入「アイツらが鬱陶しくてゆっくり吸える場所探していたんです」
「確かに口煩く、吸うなって言って来そうですね」
夏油「いた。これ午後の任務の資料になります」
「ありがとうございます」
夏油「今日は悟となのでご迷惑をかけると思いますがお願いしますね」
五条「俺の足手纏いになるのはコイツだから」
「あ、えっと…夏油さん」
初めて名前を呼ぶと一瞬驚いた表情をするが嬉しそうに笑った。
夏油「傑って呼んで下さい」
「それは……」
隣に立っている五条悟の視線が物凄く痛い。
夏油「Aちゃんって私も呼びたいので」
五条「はァ？！」
夏油「別にいいじゃないか。悟には関係ないだろ？」
「す、す…ぐる」
夏油「はい」
久しぶりに人の下の名前を口にしたかもしれない。
夏油「私に言いたいことがあったんですよね？」
「昨日、調伏した土地神について近辺調査をお願いしたところ廃寺に祀られていたそうです。名は、虹龍」
夏油「虹龍」
五条「なー傑、そんなにソイツがいいなら任務変わってやろうか？」
夏油「悪いね。私は今から硝子と静岡に行くんだ」
家入「私のことも硝子でいいですからねー」
手を振って去って行く二人にぎこちなく手を振った。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
