TIÀMⅣ【ハリーポッター】 (ページ13)

今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:7,449 hit

~femtioatta~ ページ13

『何年も何年も前のことだ。よく覚えている。それでハグリットは退学させられた。皆がわしのことを、いわゆる秘密の部屋のに住む怪物だと信じ込んだ。ハグリットが部屋を開けてわしを自由にしたのだと考えた』

ハ「それじゃ、貴方は…貴方が秘密の部屋から出てきたのではないですか？」

隣でアラゴクに話かけるハリーの額から汗が垂れる。

『わしが！』

怒りで鋏を打ち鳴らす。

『わしはこの城で生まれたのではない。遠い所からやって来た。まだ卵だった時に、旅人がわしをハグリットに与えた。ハグリットはまだ少年だったがわしの面倒を見てくれた。城の物置に隠し、食事の残り物を集めて食べさせてくれた。ハグリットはわしの親友だ』

アラゴクがハグリットの事を話す声色はとても優しい。

本当に2人は親友なんだとそれだけでも分かる。

『いいやつだ。わしが見つかってしまい、女の子を殺した罪を着せられた時、ハグリットはわしを護ってくれた。その時以来、わしはこの森に住み続けた。ハグリットは今でも時々訪ねて来てくれる。妻も探して来てくれた。モサグを。見ろ。わしらの家族はこんなに大きくなった。ハグリットのおかげだ……』

ハ「それじゃ、一度も誰も襲ったことはないのですか？」

恐る恐るハリーが聞く。

『一度もない』

そうアラゴクは答えた。

『襲うのはわしの本能だ。しかし、ハグリットの名誉のために、わしは決して人間を傷つけはしなかった。殺された女の子の死体は、トイレで発見された』

殺された女生徒。

誰だ。

『わしは自分の育った物置の中以外、城の他の場所はどこも見たことがない。わしらの仲間は、暗くて静かな所を好む…』

ハ「それならいったい何が女の子を殺したのか知りませんか？何者であれ、そいつは今戻ってきて、またみんなを襲って」

周りにいるクモ達が一斉に鋏を鳴らし始める。

『城に住むその物は…わしらクモの仲間が何よりも恐れる、太古の生き物だ。その怪物が、城の中を動き回っている気配を感じたとき、わしを外に出してくれとハグリットにどんなに必死に頼んだかよく覚えている』

ハ「いったいその生物は？」

『わしらはその生物の話をしない！』

「ッチ」

大きく舌打ちをするのと同時に巨大なクモ達が詰め寄って来た。

多勢に無勢。

森を焼き払うかと杖を出そうとすると高らかなクラクションが聞こえた。