TIÀMⅣ【ハリーポッター】 (ページ2)

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~fyrtiosju~ ページ2

周りにいた生徒達から歓声が上がる。

立ち上がろうとすると左手に鋭い痛みが走った。

視線を向けると手の甲まで皮膚が爛れている。

この黒色の杖は、購入してから一度も使っていなかったから扱い方を間違えてしまったのだろう。

杖を仕舞い、左手はローブの袖に引っ込めた。

舞台を降りて、今だに倒れているギルデロイ・ロックハートの所へ行く。

ロ「まさか杖を二本持っているとはね…」

「ただの護身用にですよ」

手を差し出そうとすると隣に気配を感じた。

横を見ると教授の姿。

ス「もう彼女を仕事に戻らせて貰ってもかまわんか？」

ロ「えぇ、忙しい中ありがとうございました」
　
ス「我輩は授業の続きがある。残りの作業を…」

「分かりました」

飛ばされてしまった灰色の杖を渡されるので受け取る。

大広間を出ようとするとローブを引かれた。

ロン「君、杖を二本持っているのか？」

ハ「驚いちゃった」

目がこれでもかと光り輝かせている二人。

「話はまた今度聞くから、ほら授業に戻って」

ロン「絶対だからね」

返事の代わりに手を振って大広間を出て階段を上がって医務室に行こうと一歩歩いて瞬間。

大きな何かが壁を伝っているような音が聞こえた。

瞬時に杖を取り出し、構えるが何も起こらない。

聞こえた音も一瞬だった。

念の為に杖を持ちながら医務室に行く。

マダム・ポンフリーは不在で棚にある軟膏と包帯を拝借していると近くで布が擦れる音が聞こえ、咄嗟に杖を向けた。

「…教授、驚かせないで下さいよ」

無言で私の腕の中にあった軟膏と包帯を奪った。

ス「座れ」

「はーい」

空いているベットに腰掛けると隣に教授が左に座る。

引っ込めていた左手を差し出すと教授の顔が歪む。

何か言おうと思って口を開くがそれよりも前に軟膏が塗られる。

指先を撫でるように骨ばった手が優しく。

綺麗に巻かれて行く包帯を眺めていると眠気に襲われたので頭を教授の二の腕辺りに置いた。

落ちて来る瞼に何回か抵抗してみるがそれもすぐに抵抗できなくなり意識は、夢の中へと落ちて行った。