−Seventy Two− ページ24
最後、ドミニコス隊の制服に腕を通したのはいつだっただろうか。
割れてしまいあまり本来の機能を果していない鏡の前に立つ。
「似合わないな」
ホルダーの様な純白の隊長服。
左腕に、隊章が描かれている赤色の腕章を付ける。
以前、何者かに襲撃された自室は何も物が無い。
この制服や機密情報を隠していたクローゼットの奥の小部屋は、見つかっていなかった。
上着を着る前にショルダーホルスターを付ける。
両脇に二丁拳銃を入れ、上着を羽織り自室を出た。
静まり返っているジェターク寮から出ると1台の車両が止まっている。
後部座席の扉付近に立っている人物が深く頭を下げるので手を上げた。
わざわざ迎えなんて良かったのに。
扉を開けてくれるので後部座席に乗り込む。
ゆっくりと離れて行くジェターク寮を眺め見る。
段々と小さくなり、見えなくなると目を瞑り窓に頭を預けた。
「幸せを手に入れれたがその代償は大きい……な」
左手の薬指にはめられた指輪を右手で撫でながら思う。
一定のスピードを走っていた車両がスピードを落とし始めるのに合わせて閉じていた瞼を開けた。
窓の外に見えるのは、目的地では無い。
深い、深い、溜息をつくのと同時に窓硝子が割れた。
飛んで来た銃弾はシートに埋まる。
硝子の破片が頬を掠った。
『隊長！』
反対側の扉が開くので滑り降りる。
車両に銃弾が当たる音。
『無事ですか』
「なんとか。敵は…」
『グラスレー……いや、シャディク・ゼネリの仕業かと』
「そう」
『此処は任せて下さい』
拳銃を取り出して立ち上がろうとする部下の袖を強く掴んだ。
「目的は私だ」
『何をするおつもりですか！』
「まぁ、見ていてくれ」
聞こえていた銃声が止む。
両手を上げて車両の影から出るとシャディク・ゼネリの取り巻きと本人が立っていた。
シャデ「やぁ」
「生憎忙しいから簡潔に頼むよ」
シャデ「それはこちらもだ」
レネ・コスタが私に拳銃を向ける。
シャデ「俺達の仲間にならないか？」
その発言に自然に口角が上がってしまう。
シャデ「何を！」
発砲音と共に胸の辺りに尋常な熱さを感じる。
あー痛い。
体が前後に揺れ出し、踏ん張ることも出来ずに硬い地面に体は叩きつけられてしまう。
その痛みに目を閉じるともう瞼は開いてくれなかった。
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アルマジロ(プロフ) - 雛さん» コメントありがとうございます。楽しく読めれる作品を作れて嬉しいです。また、次回作でお会い出来ることを願っています。 (7月21日 11時) (
レス) id: a2e34baed4 (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - お疲れ様でした。いつも楽しく読ませて頂いておりました。次回作もあれば楽しみにしております。ありがとうございました！ (7月18日 13時) (レス) id: 41047c8144 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - リルさん» コメントありがとうございます！頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (5月29日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
リル - いつも見ています！最高です！これからもお願いします！ (5月29日 18時) (レス) @page5 id: 92d48ed5dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年5月27日 19時
