−Seventy− ページ22
熱い、熱い、熱いよ。
呼吸が上手く出来ない。
苦しい。
誰か。
藻掻き苦しんでいると冷たい感触が額に感じた。
いつもよりずっと重たい瞼を開けると心配そうに私を見つめるグエルの顔がある。
どうしてグエルが…。
「っ！…決闘！」
勢いよく体を起こすと物凄い頭痛と視界が大きく歪む。
グエル「お、おい！そんな急に起き上がったら」
胃から何かが出そうな感覚に手を口元に当てると背中にグエルの手が触れて擦ってくれる。
グエル「ゆっくりでいい」
「…け……っと…う、は」
途切れ途切れにも私自身が言いたい事を言う。
グエル「俺が勝った」
何かを隠しているように返事をされるのに違和感を感じていると電子扉が開く音が聞こえる。
ラウダ「兄さん、水持って来たけどまだ目…」
起き上がってる私を見たラウダの目が大きく見開かれた。
グエル「今、目を覚ました」
ラウダ「全く」
大きな溜息をつきながらラウダは私にコップに入った水を差し出してくれる。
「ありがとう」
受け取り、1口、2口と渇いている喉を潤しサイドテーブルにコップを置く。
ラウダ「急に意識を失うから焦ったよ」
空いている椅子に座りながらラウダが言う。
「疲れ…かな」
グエル「そうだろうな。地球から帰って来て、すぐに決闘だ」
「スレッタはどうしてるの」
グエルの顔を見ると顔を逸らされたのでラウダを見た。
ラウダ「学園にいる」
「そう」
グエル「それでだな、A」
ラウダ「兄さん。僕は、席を外したほうが良い？」
グエル「あぁ。頼む」
「ラウダ」
席を立つラウダの制服の袖を掴んだ。
何か言おうと思ったが上手く言葉が出て来ない。
ラウダ「A？」
掴んでいる袖を私の方に引っ張る。
そして体制を崩したラウダを抱きしめた。
ラウダ「ちょっと！」
「ラウダはラウダだから」
そう耳元で呟き、体を離した。
ラウダ「兄さんの前でそんな事していいのか！」
顔を真っ赤にしたラウダが言う。
グエル「別に俺は気にしん」
「ほら」
ラウダ「…ちょっとは気にしてくれないかな」
そう言ってラウダは部屋を出て行った。
「それで本題は」
グエル「もう一度、地球に行く」
真剣な声で言われた言葉に体に掛かっていたシーツを強く握り締めた。
どうして、また。
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アルマジロ(プロフ) - 雛さん» コメントありがとうございます。楽しく読めれる作品を作れて嬉しいです。また、次回作でお会い出来ることを願っています。 (7月21日 11時) (
レス) id: a2e34baed4 (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - お疲れ様でした。いつも楽しく読ませて頂いておりました。次回作もあれば楽しみにしております。ありがとうございました！ (7月18日 13時) (レス) id: 41047c8144 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - リルさん» コメントありがとうございます！頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (5月29日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
リル - いつも見ています！最高です！これからもお願いします！ (5月29日 18時) (レス) @page5 id: 92d48ed5dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年5月27日 19時
