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−Thirty− ページ31

午前中の従業を終え、薔薇園に逃げて来た。

「はぁ」

白いアンティーク調のテーブルに突っ伏しながら深い溜息をついた。

学校の中に入った途端にメカニック科やパイロット科に質問攻め。

集まって来る生徒の波をかき分けてなんとか此処に辿り着いた為、お昼ご飯は無い。

小さくお腹が鳴る。

「お腹空いた」

呟くのと同時に目の前に紙袋が置かれた。

勢いよく顔を上げると正面の椅子に座るグエル先輩の姿。

もう一度、紙袋を見る。

グエル「食ってねぇんだろ」

「ありがとうございます。いただきます」

紙袋の中を見るとサンドイッチが二つ。

一つを先輩の前に置く。

「ハロ、コーヒー二つ」

『かしこまりました』

地面で転がっていた赤ハロに言うと跳ねて行った。

「もう間もなくダリルバルデが着く頃です。その後に…んぐっ!」

新しく貰った生徒手帳に入っている予定を言っていたら口にサンドイッチが押し込まれた。

グエル「どうせこの後、一緒に格納庫に行く。その時に聞く」

頷くと先輩もサンドイッチを食べ始めた。

ペトラやフェルシーと一緒に食べなくて良かったのだろうか。

グエル「随分と人気者になっちまったな」

「鬱陶しいです。特にパイロット科が」

どう操作すればあんな早くに重量のあるディランザが動かせるだのと沢山聞かれた。

思い出しただけでも溜息が出そうだ。

そんな事を考えていると赤ハロがコーヒーを持って戻って来てくれた。

「インスタントなのであまり味は保障出来ません」

グエル「いい」

コーヒーカップに入ったコーヒーが二人の前に置かれる。

「ハロ、ありがとう」

そう言うと膝の上に乗るので頭を撫でてあげた。

「何かありましたか?」

私の様子を手を止めて見ている先輩に言う。

グエル「いや」

淹れたばかりのコーヒーが入ったコーヒーカップに口を付けた。

最後の一口のサンドイッチを口の中に放り込む。

コーヒーカップを両手で持ち、表面に息を吹きかける。

ずっとこんな穏やかな時間が続けばいいのに。

−Thirty One−→←−Twenty Nine−



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アルマジロ(プロフ) - なるのぎさん» 初めまして!グエルくんオチの作品少ないですよね…私もグエルくん推しです!ご希望に添える作品になれるよう頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたします! (5月20日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
なるのぎ(プロフ) - グエル推しなので、凄く嬉しいです!😭これからも更新、頑張って下さい。応援してます! (5月20日 18時) (レス) id: 9a1c05d315 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルマジロさん» ファイト〜〜〜!! (5月17日 16時) (レス) id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 舞さん» 初めまして!コメントありがとうございます!分かりにくい点など出てくるかと思いますが精一杯頑張りますのでよろしくお願いします! (5月17日 16時) (レス) id: a2e34baed4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます٩( ᐛ )و (5月17日 16時) (レス) @page20 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年5月16日 23時

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