~tjugosex~ ページ27
「クッキー美味しいですよ。どうぞ」
私の手から食べてくれないだろうと思っていたのに食べてくれた。
嘘でしょ？
絶対、カカオ90%のチョコレートしか食べませんって面してるのに。
しかも、私の手からだし。
信じれない光景に頭が混乱する。
ス「…甘い」
「クッキーですから」
すぐにハーブティーで流し込まれてしまった。
私にお菓子作りの才能があったらなー。
どうしてもレシピ通り作っても失敗してしまう。
クッキーを食べていると横からの視線が痛い。
「なんれふか？」
ス「行儀が悪いでありますぞ。Ms.ノジェイス」
「教授がこっちばっかり見て来るのが悪いんですよ」
長い指が私の顔に近づいて来た。
え、何々。
目を瞑ろうとしたが遅く、指先が口元に触れる。
その指先は、生きているのかと疑う程の冷たさ。
口元をなぞった指先は、すぐに離れて行くと思っていたのに私の下唇をなぞった。
「きょ、教授？」
私の細々とした声に教授は、はっとし口から指先を離してくれる。
「口紅が…」
教授の指先が付いた口紅でほんのりと赤くなっていた。
ス「構わん」
「それなかなか落ちないんですよね」
ちょっとだけ意地悪してみようかな。
そう言うと教授は、私の顎を強く掴んだ。
「う、嘘です！嘘です！洗ったら取れますので手を離して下さい！顎の骨砕けます！」
私の意地悪は、一瞬にして失敗に終わった。
舌打ちされると顎から手が離される。
あ。
離れて行く手の甲に真新しい切り傷を見つけた。
私は、咄嗟に教授の大きくて骨ばった手を両手で掴んだ。
ス「何をする」
「此処、切れてます」
教授も言われてから気づいたような反応をする。
私は、瞼を降ろした。
出来るか分からないけど試しにやってみよう。
昔、シスターが私にやってくれたおまじないを。
『エピスキー』
心の中で傷が癒えるように祈りながら唱える。
降ろしていた瞼をゆっくりとあげると手の甲にあった切り傷は、跡も残っていない。
教授の顔を見ると呆気に取られていた。
「シスターが私にしてくれていたおまじないを真似してみたんですけどどうやら出来ちゃいました」
薄ら笑いしながら言う。
ス「今のは回復呪文だ」
「もう一度お願いします」
ス「…回復呪文だ」
「えぇ？私、杖使って無いですよ」
ス「今、目の前で起こったのは魔法だ」
開いた口が塞がらない。
シスター、貴方は何者だったんですか。
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ぷぷぷ - ダンブルドアって書かないのはあえてなのかな (8月22日 8時) (
レス) @page10 id: 5bee2b7465 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - フォールさん» フォール様初めまして！コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです。なかなか更新は出来ませんが生一杯頑張りますので完結まで長いと思いますがよろしくお願いします。 (2023年1月23日 21時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - めっちゃおもしろいです！どんな展開になるのか続きが楽しみです！！応援してます！ (2023年1月23日 20時) (レス) @page24 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 箱さん» 箱様、初めましてアルマジロです。コメントありがとうございます。箱様の素敵なコメントに凄く嬉しくて飛び跳ねそうです。これからも子の作品をよろしくお願いします。 (2023年1月18日 18時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年1月10日 23時
