~tjugofyra~ ページ25
人は見かけによらないという言葉は、この人の為にあるかもしれない。
恰好や仕草、言葉遣いからは想像出来ない傷の処置を施す教授は、私を懐かしい気分にさせる。
ス「何を笑っている」
「事故で両親を亡くした私の面倒を見てくれていたシスターの事を思い出していました」
10歳の頃に交通事故で両親を亡くした私には、引き取りても無く隣街にある修道院に併設された孤児院に預けられた。
勿論、通っていたスクールも転校。
新しい転校先で私を待っていたのは、苛め。
こんな私でも人に言われて嫌な事はあったりする。
ましてや今より幼い頃なんて言われた事を真に受けてしまう。
泣いて帰る日も顔や体に傷を作られた日もいつもシスターは、抱きしめてくれた。
『A。痛かったわね』
そう言いながら私に、おまじないを掛けてくれていた。
「おまじな…った！」
針で指先を刺された様な痛みに頭に浮かんでいたシスターの顔が一瞬にして消える。
視線を足に向けるといつの間にか小瓶から黄色の液体をスポイトで吸ったのを私の切り傷に垂らしていた。
浅い傷は、みるみるうちに蒸発してしまうが深い所は残ってしまう。
そこには絆創膏が貼られる。
「それは？」
ス「マートラップの触手を裏ごしして酢に漬けたものだ」
最後の絆創膏が貼り終わる。
「ありがとうございます」
頭を下げて顔を上げるとテーブルの上に散らかっていた道具達が沢山の薬品が入っている棚へと戻って行く。
今だにその光景に慣れずに見ていると扉の閉まる音が聞こえた。
また、教授が何処か消えたのだろう。
今度は薄暗い部屋を見渡す。
難しそうな本が沢山入っている本棚。
何の生き物や植物が入っているか分からない大きさ様々な瓶達。
そしてこの部屋に鎮座している大きな執務机。
座って見えるのは、崩れそうな本と束ねられている羊皮紙、高そうな羽根ペン。
「私のお給料何ヶ月分だろう」
呟くと扉が開く音が聞こえたので視線を向けた。
中から出て来たのは、教授が持っているとは思えない白色のティーカップが二つ。
縁はゴールドラインがあしらわれている。
中に入った赤紫色の液体がティーカップがテーブルに置かれると揺れた。
次に置かれたのは、これまた似合わない絞り出しクッキーが盛られたお皿が置かれる。
戸惑っていると右隣に教授が座った。
いや、向かいのソファに座れよ！
何で私の隣なの！
やっぱり私、貴方のこと分かりません。
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ぷぷぷ - ダンブルドアって書かないのはあえてなのかな (8月22日 8時) (
レス) @page10 id: 5bee2b7465 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - フォールさん» フォール様初めまして！コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです。なかなか更新は出来ませんが生一杯頑張りますので完結まで長いと思いますがよろしくお願いします。 (2023年1月23日 21時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - めっちゃおもしろいです！どんな展開になるのか続きが楽しみです！！応援してます！ (2023年1月23日 20時) (レス) @page24 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 箱さん» 箱様、初めましてアルマジロです。コメントありがとうございます。箱様の素敵なコメントに凄く嬉しくて飛び跳ねそうです。これからも子の作品をよろしくお願いします。 (2023年1月18日 18時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年1月10日 23時
