〜43話〜 ページ44
黒色の大きな傘。
その傘から出た顔は待ち望んでいた人物では無かった。
「…だ…いす…け…さ…ん？」
浪川「風邪引くって！」
びしょ濡れになった腕を引っ張られて浪川さんの傘の下に入る。
「どうして…ここ…に」
大輔さんは何かを言うつもりで口を開いたのにその口を閉ざして下唇と噛む。
浪川「家帰るよ」
掴まれている腕を引っ張られるので私はその腕を空いてる手で掴んだ。
「どうして来たんですか」
私は貴方にとっては同じ事務所の後輩声優。
家族でもましてや恋人ではないのにどうしてここに来たの。
浪川「…きなんだよ」
叩きつける様な雨のせいで上手く聞き取れない。
「え？」
浪川「好きなんだよ！」
私が知っている告白とは違う。
もっとふんわりした優しい雰囲気の中で告白されると思ってたのにどうして今、目の前にいる大輔さんは泣きそうな顔をしてるの。
数秒遅れで私は気づいた。
大輔さんは私が祥太郎さんの事が好きと分かって振られると知っているから。
「大輔さん」
浪川「あぁ 知ってるよ Aちゃんが好きなのは俺じゃない」
目が合っていた大輔さんの視線は私からそれ傘の外で降っている雨に向いてしまった。
どう言ったらいいのか分からない。
ただ大輔さんの掴んでいる手に力が入るだけ。
浪川「ほらこのままだと風邪引くから行くよ」
それに私は小さく頷いて歩きだそうとすると誰かが雨の中を歩いて来る足音が段々と近づいてくる音が聞こえた。
私がそっちに向くと傘を持っている大輔さんも向いてくれるので誰が走って来たのかはっきりと分かる。
森久保「Aちゃん」
紺色の傘を差した祥太郎さん。
今は祥太郎さんと顔を合わせたくないと思ったのか私は大輔さんの手を強く引っ張った。
森久保「Aちゃん！」
「祥太郎さん ごめんなさい 私 大輔さんとお付き合いすることにしたんです」
大きな爆弾を投下された祥太郎さんは私の元に走って来た。
森久保「ほ…んとう…な…の？」
「はい ね？大輔さん」
浪川「そういう事なんで森久保さん 俺ら二人のことを温かい目で見てくれたら嬉しいです 失礼します」
その場しのぎで大輔さんの手を握りながら停車しているタクシーに乗り込んだ。
私は濡れた窓から立ったままの祥太郎さんを眺めながらその場から逃げた。
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ユリア(プロフ) - アルマジロさん、お返事ありがとうございます。これからも頑張ってください！応援してます(^▽^)/ (2022年12月29日 15時) (
レス) id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - ユリアさん» 初めてまして！コメントありがとうございます。素敵な作品と言っていただけて作者とても嬉しい限りです！読んでくださってありがとうございました！ (2022年12月28日 20時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - とってもいいお話でした！この後の物語がどうなって行くのか色々と想像してしまいます！素敵な作品をありがとうございました(^▽^)/ (2022年12月25日 12時) (レス) @page46 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» いつもコメントありがとうございます！これからも更新頑張りますので見て頂けたら嬉しいです！今後もよろしくお願いします。 (2022年6月16日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - アルマジロさんが書く森久保さんや浪川さんのお話が大好きで更新される度にワクワクしながら読ませて頂いていました！次の作品も読ませていただきますが一先ずお疲れ様でした！！ (2022年6月13日 20時) (レス) id: d034a9fa72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2021年12月28日 21時
