雨露に濡れた華【森久保祥太郎】

〜34話〜 ページ35

江口「体調はどう？」

「もう前と変わらないですって言うより前よりきちんと生活送ってるので前より体調は良いですよ」

たまたま午前も午後の現場が一緒だった江口さんと遅めのランチを食べに来ていた。

私は注文したパスタの付け合わせで出て来たサラダを食べながら返事をした。

江口「ふぅ〜ん んで？」

「え？他にもなにかあるんですか？」

江口「森久保さんと一緒に暮らしてたんでしょ？」

「それはストーカーの事があったから危ないって言う理由でですよ」

江口「もう家にいないの？」

「いないですよ まぁ 若干森久保さんの代本とかは残ってますけど‥‥」

部屋の机の上に乗ったままの台本を思い浮かべながら言う。

江口「それって蛇ちゃんの部屋で練習とかしてるの？」

「してますね 私がご飯を作ってる時とか何してるんだろうって覗いた時台本チェックしてましたし」

江口「もうカップル通り越して新婚さんじゃん」

「し、し、新婚さんって言い過ぎですよ！」

江口「蛇ちゃんは好きなんでしょ？」

「そりゃ意識はしてますけど‥‥こんな娘みたいな年齢の女となんか付き合いたいと思ってくれますかね？」

江口「恋愛に年齢とか関係無いよ」

「うわぁ 江口さんかっけーっす」

江口「どさくさに紛れてパプリカ俺のサラダに入れないでよ」

「バレました？」

江口「デートとか約束してないの？」

「ん〜どうでしたっけ」

机の上に乗ったスマホで予定表を開くが何処にもデートの約束は入っていない。

江口「その顔は入ってないな」

「はい その通りですね 森久保さんも来週ぐらいから県外のイベントとかあるって言ってたんで無理だと思います」

江口「蛇ちゃんも県外で朗読劇じゃなかった？」

「そうですね 事務所の先輩方達との朗読劇が4公演あります」

来週の木、金、土、日は浪川さんが主宰する朗読劇がある。

もう残り3日程しかないから今日も帰ったら練習。

江口「前森久保さんにいつ会った？」

「退院してから会ってないのでかれこれ2週間は会ってないですね」

江口「今日家帰ったらいるとかありそう」

「流石にお忙しい人ですから無いと思いますよ」

メインのパスタにフォークを入れた。

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