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〜25話〜 ページ26

床の上に出来た血溜まりに滑りそうになる。

「私も見て欲しい人に見て貰えなかった」

「「分かった気になるなよ 僕は僕なんだ」」

「私も私 これはただ私の独り言 貴方には何も関係無い」

黒々とした銃口が再び私に向く。

視界の端に金色の何かが映ったと思えば目の前にいた男にパイプ椅子が当たる。

男は衝撃に耐えられなくその場によろけで転んだ。

「「‥‥しょ、祥太郎さん?」」

祥太郎さんは転んだ男の上に馬乗りになって胸倉を掴む。

森久保「俺はお前の事を見ていた」

「「嘘だ‥祥太郎さんは僕のことなんて見てくれてない!」」

森久保「ずっと俺の傍にいて色んな小さな事に気づいてくれていたの俺は見てた」

男は泣きだし握っていた拳銃を離した。

「「祥太郎さん 俺…」」

森久保「また俺の傍で働きたいと思ったら事務所に来ていいから」

どこまでも優しいんだ。

「「もう今更なんですよ!僕が昔の僕である時にさっきの言葉言って下さいよ!!」」

男は離していた拳銃を握ると思っていた時には私は走っていた。

祥太郎さんを押し飛んで来る銃弾を受ける。

宙を舞う鮮血と共に体が床に叩きつけられると武装した警察官の人達が大勢来て暴れる男を取り押さえていた。

ぼんやりとする視界で光景を眺めていると誰かに抱きかかえられる。

森久保「Aちゃん!!!早く救急車用意して下さい!」

祥太郎さんは着ていたジャケットを脱ぎ破く。

何をするかと思えば私の肩に当てると激痛が襲い意識が飛びそうになる。

森久保「大丈夫だから‥俺がいるから」

きっと不安でどうにかなりそうなのに顔に出てないのは私を安心させる為だ。

「も…りく‥‥ぼさん」

森久保「ん?俺は大丈夫だよ」

「こん…ど…いきた‥‥いっ…てい・・・ってた」

森久保「クレープの店な この怪我治してから行こうな」

大きくて温かい手が私の頭を撫でる。

その温かさに意識が薄れていく。

浪川「A!!」

森久保「Aちゃん!!」

あぁ、大輔さん。

声が上手く出ない代わりに手を伸ばすと2人が握ってくれた。

泣かないで。

私は2人の笑顔が大好きなんですよ。

涙を拭おうとしたいけど力が上手く入らないまま、私の視界は闇に染まった。

〜26話〜→←〜24話〜



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ユリア(プロフ) - アルマジロさん、お返事ありがとうございます。これからも頑張ってください!応援してます(^▽^)/ (2022年12月29日 15時) (レス) id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - ユリアさん» 初めてまして!コメントありがとうございます。素敵な作品と言っていただけて作者とても嬉しい限りです!読んでくださってありがとうございました! (2022年12月28日 20時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - とってもいいお話でした!この後の物語がどうなって行くのか色々と想像してしまいます!素敵な作品をありがとうございました(^▽^)/ (2022年12月25日 12時) (レス) @page46 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» いつもコメントありがとうございます!これからも更新頑張りますので見て頂けたら嬉しいです!今後もよろしくお願いします。 (2022年6月16日 19時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - アルマジロさんが書く森久保さんや浪川さんのお話が大好きで更新される度にワクワクしながら読ませて頂いていました!次の作品も読ませていただきますが一先ずお疲れ様でした!! (2022年6月13日 20時) (レス) id: d034a9fa72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2021年12月28日 21時

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