雨露に濡れた華【森久保祥太郎】

〜17話〜 ページ18

「お、おはようございます」

伸ばしてた手を引っ込める。

森久保「おはよ ん〜〜！」

祥太郎さんは大きく背伸びする。

「今日お仕事の方は」

森久保「今日は16時からの現場だけだったかな？Aちゃんはオフだよね？」

「え？今日は10時から現場があります」

ソファの前に置いてあるテーブルに載っているスマホを手に取ると大輔さんからメッセージが来ていた。

すぐにアプリを開きトークを見る。

大輔さん今日の仕事 別日に変更したから森久保さんとゆっくりお家デートしてな?

森久保「大輔に今度会ったらお礼言っておきな？」

「そうします」

A今度 ラーメン奢ります ありがとうございます

返信をしてスマホを机の上に置く。

森久保「何する？」

「えっと…まずお風呂に入っても良いでしょうか」

森久保「俺も後で借りても良い？」

「先にどうぞ！」

森久保「はいはい Aちゃんが先ね」

「その後は近くに出来たカフェにモーニングを食べに行っても良いですか？冷蔵庫の中空っぽなので」

森久保「おけ お風呂入っておいで」

「はい 行って来ます 自由にしていて良いですから」

そう伝えお風呂場に向かった。

お湯をバスタブに入れている間に崩れているメイクを綺麗に落とす。

鏡に映る自分の顔。

最後にまともに食事を取ったのはいつだろうか。

覚えていない。

顔がこけているように見える。

目の下の隈は多少良くなった気もするがまだまだ濃い。

隈を軽く撫でてお風呂に入った。









疲れた体と心を長時間のお風呂で癒されリビングに戻るとソファに座っていた祥太郎さんはベランダでタバコを吸っていた。

私に気づいていないようなのでベランダの窓を開ける。

爽やかな風が火照った体には気持ちが良い。

「祥太郎さん」

森久保「お ゆっくり浸かってきた？」

「いつもより20分ぐらい長く浸かってきました」

森久保「目の下の隈も良くなってる」

「祥太郎さんもどうぞ」

森久保「ありがと もう少し吸ったら行くから部屋入ってな」

「‥‥いてもいいですか？」

森久保「髪に匂いついちゃうよ」

「祥太郎さんの匂いなら別に気になりませんよ」

私の発言に祥太郎さんの顔が赤くなる。

森久保「Aちゃん 大輔とかにもそんな事言ってるの？」

「何がです？」

森久保「無自覚かよ」

「何か言いましたか？」

森久保「何も〜」

「絶対言いました！」

森久保「言ってないよ ほら部屋入るよ」

祥太郎さんに背中を押されながら部屋に戻った。

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