【ONEPIECE】失くした左腕は此処に。 (ページ43)

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～42話～ページ43

「「お嬢さん！買って行って～」」

「「あ兄さん達寄っていかないか～？」」

歩くたびに声を掛けられる。

シャン「此処か」

まだ、昼間ってのもあってか酒場は静まり返っていた。

お頭よりも先にウェスタンドアを開き中に入る。

「「いらっしゃい」」

コップを磨いている店主がカウンターの向こうにいた。

シャン「悪いが酒をくれないか」

「「どれぐらいだ今あるのはそこの樽2つだけだ」」

シャン「それで全部か」

「「あァついこの間まで此処にいた海賊らが全部持って行きやがったからな」」

シャン「そうかならそれを貰おう」

カウンターに多めのベリーを置くお頭。

私は両手に樽を持つ。

「「アンタら赤髪海賊団か」」

出て行こうとしている私達に声を掛ける店主。

シャン「あァ」

「何か」

酒場には、護身用でライフルが置いてある。

いつでもその銃弾を弾ける体制をとる。

「「悪いようにはしねェだがこの街では大人しくしてくれないか」」

シャン「約束しよう俺達はこの街にいる人らに手を出さない」

「「ありがとう皆心に傷を負って此処にいる」」

先程、港で会った男の言葉が頭に浮かぶ。

「「家族や友達を殺された！」」

私達だって、色々あって海賊をしてるのに。

それを伝えてもきっと理解はしてくれない。

だから、今でも人は争いを続ける。

お頭と酒場を出ると、農具を手にした男女に囲まれる。

「「出て行け！」」

「「海賊！！」」

「「何しに此処に来た！！」」

手にしている樽を置く。

シャン「A」

「分かってます」

私に、向かって振り下ろされる鍬を手で掴む。

反撃をしない私達を見ると、囲んでいた男や女達は後退りする。

「「なんで‥‥それで攻撃をしないんだよ！」」

「これは脅しの道具じゃないから」

抜いた時は、人を殺めなければならない。

シャン「そういう事だ退いて貰えるか」

置いた樽を手に持ち、歩く。

「「わぁぁぁあああああああ！！」」

奇声を上げた女性が、お頭に向かって来る。

その手には小さなナイフ。

「はぁ」

一つ溜息をついて、お頭の前に出た私はナイフを握った。

垂れた鮮血が地面を汚す。

「私達は何があったも貴方達には手を出さない」

空いている片手で震えた手でナイフを握る女の人の手を握り、ゆっくりとナイフから手を離して貰う。

ナイフに付いた血をコートの袖で拭う。

「こんな事しないで下さい」

涙を流している女の人に渡した。