〜41話〜 ページ42
「わ〜〜！真っ白！」
甲板から身を乗り出して、ゆっくりと近づいて来る島を見る。
シャン「落ちるぞ」
「落ちてもお頭が助けてくれるでしょ？」
シャン「こんな海の中誰が助けるか」
「確かに凄く冷たそう」
下を見ると、薄っすら海王類の姿が見える。
シャン「まずは酒だな」
「はーい にしても結構大きい島ですね」
望遠鏡で島の港を見ると、こんな寒いのに人々の姿あった。
ライム「店とかも結構充実してるらしいぜ」
「へェ〜」
首元に羊の毛皮が付いたコートに顔を埋めた。
船員達が船から碇を降ろしている中、お頭と私は船から降りる。
ホン「2人共はぐれるなよ」
「それはお頭に言って下さいよ」
シャン「いつも離れて行っちまうのはおめェだろうが」
「そんなこと言うと付いて行きませんよ！」
シャン「あー悪かったって！」
「ふん！」
先に、港に足を踏み入れると銃声が近くで聞こえたので腰に入れているユピテルで銃弾を斬り裂く。
シャン「おっと！」
斬り裂いた銃弾は、後ろを歩いていたお頭の足元を跳ねた。
視線を右に向けると銃を両手で握っている同い年ぐらいの男の姿。
「「で、出て行け！！」」
シャン「少し補給をさせてはくれないか」
「「お前ら海賊だろ！」」
その言葉に、その場を歩いていた人々が足を止める。
「海賊だけど何」
私は、1歩その男に近づく。
「「此処にいる皆は家族や友達を海賊に殺された！」」
「‥‥私達とその外道な海賊と一緒にしないで」
「「海賊は皆一緒だ！」」
「「こら辞めなさい」」
男の母親だろうか、1人の女性が男の首根っこを掴む。
「「すみません」」
シャン「かまわんさ 酒場は何処にあるのだろうか」
「「此処を真っすぐ行った所にあります」」
シャン「助かる A」
「は〜い」
ユピテルをシースに納めながら、未だにこちらを睨んでいる男を横目に見ながらお頭の後を追う。
私達とそこら辺の海賊と一緒にしないでよね。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
