〜3話〜 ページ4
「ぎゃぁぁああああっ！！ホンゴウさん！痛い！！」
ホン「うるせェ！大声出すんじゃねェよ！」
ライム「1人で敵船に突っ込んで行く馬鹿がいるか」
医務室兼ホンゴウさんの部屋のベットに座っているライムさんに言われる。
「だってウタが泣いたから…」
ホン「妹思いは良いが自分が死んだら元も子もないだろうが」
口元に消毒液を含んだ綿球が近づいて来るのでそっぽを向いたら顎を強く掴まれる。
ホン「動くんじゃねェよ！」
「心の準備が出来てないんです！」
ライム「せっかく良い面してんだから顔に傷なんて作るなよな〜」
ホン「同意見だ」
「女は顔が武器ですからね！」
ライム「女の面した男だけどな‥‥って！何すんだよ！」
ライムさんの脛辺りを一蹴り。
「何かムカつきました」
ホン「終わりだ 腕の傷は深いからあんまり濡らすなよ」
「は〜い！」
難しそうな医学本が乗っている机の上にある飴を1つ手に取る。
包み紙を外すと綺麗な赤い玉が顔を出すので口に放り込む。
ホン「A島に着いたら買い出し付き合ってくれねェか？」
ライム「ホンゴウがAに付き添い頼むなんて珍しいな」
ホン「大きな島らしいから買えるだけ買っておきたいんだ」
「備えあれば患いなしってやつですね」
ホン「はァ 1番血気盛んなやつが言うかよ」
ライム「言えてる」
外から碇が降りる音が聞こえ始めた。
「着替えて来ます！」
口の中で転がしていた飴を噛み砕きながら医務室を飛び出す。
狭い自室の扉を開けると丸窓から島が見える。
「わぁ〜！！」
ホンゴウさんが言ってた通り今回の島は凄く大きい島だ。
港には沢山の人の姿と数々のお店が並んでいる。
ガブさんと一緒に作った箪笥からお気に入りのワンピースを出して着替えて、端が欠けている鏡の前で1回転してから部屋を出た。
医務室の前で船員と話ているホンゴウさんが駆けて来る私に気づく。
「お待たせしました」
ホンゴウさんの目が何故かまん丸になっている。
私の何処か可笑しいだろうか。
ホン「馬子にも衣裳だな」
ボソッとホンゴウさんが言う。
「「ホ、ホンゴウさん」」
ホン「やっべ！A悪かった！」
「もう私荷物持ちしません！！」
ホン「悪かったって！街でアイス買ってやるから！」
「本当！？」
ホン「あァ 俺は嘘ついたことあるか？ ほら行くぞ！」
「三段のアイスですからね！」
ホン「餓鬼だな」
「11歳の餓鬼ですよーだ！」
舌を出しながら言う。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
