〜27話〜 ページ28
すっかり辺りは闇に染まってしまった。
ランタン片手に甲板を歩いていると背後に気配を感じ、振り向く。
「お頭？」
シャン「見張り交代だ」
数人の船員の姿が見える。
「島の探検して良いですか？」
船を降りようとするとお頭に首根っこを掴まれる。
「お頭！？」
そのまま島の城に連れて来られた。
婦人の1人の前に降ろされる。
シャン「頼んだ」
「「かしこまりました どうぞこちらへ」」
どういうことか理解出来ずにいると今度は婦人に手を引かれ別の部屋に通された。
そこには色とりどりのドレスの数々と女性達。
「「そうね この色はどうかしら」」
「「綺麗な銀色の髪をしているから髪飾りは大人しくしましょうか」」
「「これも良くないかしら」」
沢山の女性達にされるがままになる。
「「はい 鏡の前に行ってみなさい」」
言われるがまま、慣れないヒールで歩き鏡の前に行くと知らない自分が映っていた。
膝丈の淡い赤色のドレス。
紅も引かない唇には真っ赤な紅。
髪に大人しく付いている花飾り。
「「凄く素敵だわ」」
「「ほら こちらへ」」
大きな扉を開けられるので中に入る。
同じようなドレスに身を包んだ人々の姿。
辺りを見渡していると、お頭を見つけたがお頭は大人の女の人達に囲まれていた。
「「すみません」」
「「君 お名前は？」」
「「あの海賊の人達の仲間？」」
いつの間にか、男の人達に囲まれる。
「「ねェ」」
1人の男性が私に手を伸ばす。
昔の嫌な思い出がフラッシュバックするので目を瞑る。
シャン「あまりこういう場所に慣れていなくて少し人酔いしてしまったみたいだ」
腰に回される手に目を開ける。
「お頭」
シャン「いつ入って来た？」
「先程ですが」
人気の少ない端に来る。
お頭は私の前に立って顎に手を当てて何かを考え始めた。
何か可笑しいだろうか、似合っていないだろうか。
「「シャンクスさ〜ん！」」
1人の女性がお頭の腕に巻きつく。
私よりもスタイルが良い。
「「向こうに美味しい食べ物あるんで来て下さいよ〜 あ、お取込み中でした？」」
「いえ お頭行ってあげて下さい」
シャン「悪いな」
軽く手を振って遠くに行ってしまうお頭の背中を見ていると胸が苦しい。
私と一緒にいて欲しかった。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
