〜13話〜 ページ14
「ッ‥‥ガハッ…」
胃から何かが迫り上がりのに目を覚まし、口から液体を吐き出すと真っ赤だった。
内臓の何処かをやられたのだろうか。
目の前に映る光景も赤い。
頭か額かを切っているな。
膝の辺りに何か感触があると目線を落とすと何度も撫でて貰ったお頭の手があった。
手の甲で目元を拭う。
埃と血が混ざったのが目に入るがかまわず目を開く。
「お、お頭？」
木片の下敷きになっているお頭の姿。
突然の閃光は大砲だった。
部屋の辺りに当たり爆発し、私達は吹き飛ばされた。
「どうし…て…わたしを‥」
シャン「ッ…ぶじ‥…か」
虚ろな目がゆっくりと開く。
「お頭！今退けますから！」
手が駄目なら足を使って木片を退けようとするが一向に動かない。
歯を食いしばって体を使って退かそうとする。
シャン「い…いか‥‥らホンゴ‥‥のと…こ…にいけ」
「嫌です！」
銃声の音が近くで聞こえた。
土煙で辺りが見えない。
ヤソ「おい！！お頭！A！いるなら返事をしてくれ！！」
白い土煙の中から聞こえたヤソップさんの声。
「此処です！！！」
今出せる精一杯の声を出すと土煙をかき分けてヤソップさんとライムさんが来てくれるが2人もかなりの重症だ。
ライム「お頭！」
ヤソ「ライム 退かずぞ！」
ライム「おう！」
2人がお頭の上に乗っていた木片を退かしてくれる。
シャン「ウタ…は‥‥」
ヤソ「モンスターと一緒にシェルターにいるから安心しろ」
ライム「Aしっかりしろ！ひでェ怪我だ」
「海賊？」
ヤソ「違う！海軍だ！しかも中将クラスが乗ってやが…ってA！そんな体で動くな！」
壁にもたれながらも立ち上がった。
何処からか出て来ているのか分からない血が滴り血溜まりを作る。
ライム「失血で死ぬぞ！いい加減にしろ！」
「私の命はこの赤髪海賊団のために使うなら本望です」
瓦礫の下敷きになっているユピテルを拾い上げる。
「何隻ですか」
ヤソ「6隻だ」
ライム「ヤソップ！！」
「ありがとうございます」
グリップを強く握り、土煙の中を駆けた。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
