【ONEPIECE】失くした左腕は此処に。 (ページ8)

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～7話～ページ8

―――――――チャポン。

乳白色の色をしたお湯に、ゆっくり足を入れると熱く疼く痛みが襲う。

奥歯を喰いしばり全身浸かると自然と息が零れる。

「ライムさん容赦ないんだから」

ウタが気に入っているアヒルのおもちゃがゆらゆらと乳白色の海を泳ぐ。

バスタブの端に当たって動かなくなったりするので、足で波を作ったりと遊ぶ。

湯煙ではっきりとは見えないが丸窓から夜空に輝く星を見ながら鼻の辺りまで浸かる。

あまり早く上がると怒られてしまう。

特に、ホンゴウさんに。

100数えてお風呂を出た。

太陽の良い香りがする布で髪を拭きながら食堂の前を通ると、買い出しを終えたベックさんが遅めの晩飯を食べている。

目が合うと手招きされるので中に入った。

遅い時間もあってかいつも活気のある食堂は静か。

厨房からはルウさんと船員さんの声が聞こえるが。

「おかえりなさいお頭は？」

隣に座る。

ベック「荷物を置くだけ船に置いて呑みに行ったさ」

「ほんとお酒好きですねー」

船番以外の男達は皆、島の酒や女に溺れに行く。

後日、頬に手形を付けて帰って来る人もいれば今にでも胃から吐き出した方が楽になるのではと思う程の顔色が真っ青のまま帰って来たりと様々だ。

見ているこちらとしては面白いから良いけど、此処最近お頭から甘い匂いが香って来るのには何故か針で刺された様な痛みがする。

ルウ「A歯磨きしたか～？」

「まだでーす！」

厨房から顔を出しているルウさんに伝えるとコソコソと何かを取り出してこちらに持って来てくれた。

ルウ「アイス食べれなかったんだろ？」

丸いアイスが目の前に置かれる。

「わァ！ルウさんありがとう！」

ルウ「ホンゴウには内緒だからな」

「うん！ベックさんも内緒だからね！いただきます！」

隣で蒲鉾入りの炒飯を食べているベックさんに言う。

スプーンを握り締めて1口、口に入れると火照った体を冷やしてくれる冷たさが体に染みる。

「美味しいィ～」

此処にブルーベリージャムかけたいけど流石に怒られそう。

1口分のアイスを乗せたスプーンを炒飯を食べ終わったばかりのベックさんに差し出すと食べてくれた。

「美味しいです？」

ベック「あァ甘いな」

今日も、楽しかったなとふと心に言葉が降りて来た。