〜21話〜 ページ22
ルフィ「なァ〜A〜今日もマキノの所にいかねェの？」
「行かない」
ルフィ「何でだよ〜！」
足にしがみついて来るルフィに溜息が出そうになるが堪えた。
「私 海賊は嫌いなの」
ルフィ「シャンクス達は違う！」
「違うって何が？ルフィ知ってる？海賊って平気で人を殺すんだよ」
ルフィ「‥‥うがう」
「あの人達の手は汚れてる」
一瞬、自分の手が赤く染まっているような気がした。
―――――――――カサッ。
草が揺れる音に反応して、腰に帯刀していた鉈を抜き投げる。
ウタ「キャッ」
幼い女の子の声が聞こえたのですぐに振り返った。
ルフィ「ウタ！」
左右で髪色が違う女の子が尻餅をついている。
その顔の横には私が鉈が木の幹に刺さっていた。
「ごめんなさい 怪我は無かったかしら」
近づいて鉈を抜こうと手を伸ばすと同時に女の子が私に抱きついてくる。
ウタ「A 今まで何処にいたの 皆心配してたんだよ」
「「どうして〜あの日遊んだ海のにおいは〜」」
頭に知らない歌が流れると頭が酷く痛む。
ウタ「A 頭痛いの？」
私の頭を撫でようとした小さな手を叩いてしまった。
「っ！…さわらないで！」
そして、その場から逃げた。
足場の悪い獣道を滑る様に降りる。
「あ」
小石に躓いた。
傾く体は受け身の体制も取れずに、地面に叩きつけられる。
反射的に瞑っていた目を開けた。
痛みにすぐ体を起こせずにいると頭の中に疑問が出て来る。
Aって誰。
私は、ヴァジュラ・ネーロ・D・A。
海賊じゃない。
海軍でもない。
ただの人。
なのに、どうしてこんなに胸が締め付けられて苦しいの。
なんで涙が止まらないの。
頬を伝う涙が渇いて固い地面に染みを作る。
この世で私が生きている意味って何。
ホン「よっこらせ」
浮遊感に従うままになっていると、近くの木の根元に降ろされた。
「……し…て」
ホン「ん？」
「どうして」
ホン「どうしてって怪我してんだろ？」
膝を指差されるとそこからは鮮血が垂れていた。
「私は仲間もでもないのにどうして」
救急箱を開いている男は村で見かけたことがないからきっとあの赤い髪の男の仲間だとすぐに分かった。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
