人生の再構築【煉獄杏寿郎】

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誰かが私の頬を撫でている感触で目が覚めた。

ぼんやりと見える派手な髪。

A＞杏寿郎

小さく呟く頃には視界が定まるが私の頬を撫でていたのは炭治郎だった。

炭治郎＞ごめん しのぶさん 呼んで来るね

部屋から去って行く炭治郎の背中を見つめてから視界を窓の方に向けると蝶屋敷で飼っている蝶達が窓に飾られた花にとまっていた。

起き上がって花に手を伸ばすと蝶は外に羽ばたいていってしまう。

空を掴んだ手を膝の上に置くと扉の開く音が聞こえた。

しのぶ＞おはようございます どこか酷く痛む場所とかはありますか？

A＞この目はもう治りませんか

しのぶ＞はい

A＞はっきり言うんですね

しのぶ＞濁した方が良かったですか？ 見た目だけでも目があった方がいいと思われるなら義眼と言う手もありますが

A＞もうここには瞳は無いんですか

しのぶ＞いえ 辛うじて残っていますがAさんが摘出したいと願えばそれも出来ますが

A＞そのままで構いません

しのぶ＞そうですか

A＞あの人は無事ですか

しのぶ＞煉獄さんの事なら竈門くんに聞いてみて下さい 彼 煉獄さんの所の継子になると言っていましたから

A＞生きてるなら安心です

しのぶ＞今後 鬼殺隊士は引退されるのですか

A＞引退はしません

しのぶ＞ですが…その体じゃ

A＞最初は慣れないと思います お館様に言って階級が下の者の任務に同行させて貰います

しのぶ＞そこまでしなくてもよろしいんじゃないでしょうか

A＞あの人を死なせたくないの

しのぶ＞そうですか 私からもお館様には言っておきます

A＞ありがとうございます

しのぶ＞体の方はまだ万全ではないので無理してここから出て行く様な事はしないで下さいね

頷くと胡蝶さんは座っていた椅子から立ち上がって部屋を出て行った。

起こしていた体をふかふかの布団に沈めて左手で左目の辺りを撫でる。

そのまま右目を閉じて再び眠りについた。

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