華よ咲け【煉獄杏寿郎】

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ずっと私の手の動きを見ていた。

A＞どうぞ

大きな手が離れて整った爪を眺めている。

煉獄＞見違えるほどだ 凄い

A＞いつでもやってあげますよ

煉獄＞ありがとう！

さっきまで握っていた大きな手が頭の上に乗る。

A＞行きましょうか

煉獄＞そうだな！俺の車で行こう

A＞いいんですか

煉獄＞この間乗せて貰ったからな

A＞ありがとうございます

地下の駐車場に移動する。

A＞お願いします

煉獄さんの車もスポーツカーで私も好きな車だった。

煉獄＞星宮さんの車には負けてしまうな

A＞あの…

煉獄＞ん？

A＞Aって呼んでくれませんか

煉獄＞分かった 敬語は少し堅苦しいな

A＞でも煉獄さんの方が年上ですし

煉獄＞‥‥今何歳だ

A＞24歳です

煉獄＞俺も24だ

A＞えぇ、同い年だったんですか

煉獄＞だったら尚更敬語なんて使わないでくれ

A＞はい

シートベルトを閉めるとエンジンが掛かるとゆっくりと動き出した。

煉獄＞体調の方は大丈夫か

A＞う、うん

慣れない。

煉獄＞そんなに緊張しないでくれこっちまで緊張してしまう

A＞でも…

煉獄＞でわこうしよう 敬語を使ったらデコピンだ

A＞デコピンですか‥‥あ

丁度車が信号で止まると目の前に指が出て来ておでこに軽く当たる。

A＞きょ

煉獄＞きょ？

A＞杏寿…郎さんは何味のドーナツが好き？

カタコトだったのが可笑しかったのか笑われた。

煉獄＞本当に面白いな

A＞そんなに笑わないでよ

煉獄＞すまないすまない！

頭を撫でられる。

A＞わっ

煉獄＞あまりこうされるのは好きじゃないか？

A＞慣れてないだけ

流れている音楽に耳をかたむけていると目当てのドーナツ屋の近くのコインパーキングに車が停まる。

A＞日曜日なんで人が多いですね

煉獄＞そうだな

大通りは人で溢れかえっている。

その人の波の中に紛れて目当てのドーナツ屋に向かう。

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