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まだ日が昇って間もない時刻に聞こえ始める声。

乱れた髪を手櫛で直しながら襖を開けて母屋に向かって廊下を歩く。

角を曲がると庭には竈門くんと杏寿郎さんがいた。

A>おはようございます

竈門>Aさん おはようございます!

杏寿郎>おはようございます

A>二人共 私には敬語は無しでかまわないよ

杏寿郎>ですが一応柱の方ですし

A>命令です

竈門>本当にいいんですか?

A>うん ふぁ

大きなあくびが出ると二人に笑われた。

竈門>寝不足ですか?

A>竈門くん

竈門>あ…

杏寿郎>遅くまで俺と話をしていたんだ しかも千寿郎もAの部屋で寝ていた

竈門>え なんで千寿郎くんが離れに

A>子守唄を聞かせていたの

「カァー!カァー!天城A!昨夜カラ帰還シテイナイ隊員ガイル!至急迎エ!迎エ!」

A>竈門くんは?

「竈門炭治郎ハ今夜他ノ任務ダ!」

A>はい 分かりました 場所はどこですか?

「ココカラ北!北!」

すぐに自分の部屋に戻って隊服に着替える。

羽織と刀を手に持って玄関に向かうと千寿郎くんがいた。

A>すみません 朝餉を用意して貰っていたのに

千寿郎>いえ これおにぎりです

A>わぁ!助かります ありがとうございます

竈門>Aさん!

A>竈門くんは敬語抜けないなぁ〜

竈門>俺には無理です!

A>そうか まいっか!

竈門>さっき鎹鴉が夜の任務Aさんも同行してくれって

A>それまでには戻って来るからね

竈門くんの頭を撫で羽織を羽織る。

杏寿郎>綺麗な白だ

A>ありがとう

杏寿郎>気を付けて!

腰に刀をさし扉に手をかける。

A>行って来ます!

三人の行ってらっしゃいを聞いてから飛んだ。

炎柱に戻ってからの初の任務。

木々を抜けて隊士を探す。

この森は昼間なのに夜並みに暗い。

鬼が出て来てもおかしくない。

地面に何か落ちている。

近づくにつれ見えるのは鎹鴉だ。

しかも死んでいる。

A>近いな

羽根が所々に落ちている。

それを辿って行く。

隊服の上着。

まだ温かい。

微かに血の匂いもする。

目を瞑って音に集中すると素早く草木を移動する音が聞こえた。

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2020年11月1日 23時

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