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敷かれている布団に千寿郎を寝かせ部屋を出る。
昔 瑠火さんとよく話をしていた縁側に腰をかけると杏寿郎さんも隣にかける。
A＞よく瑠火さんとここで話をしていたんですよ
杏寿郎＞もちろん覚えています ここで母上と楽しそうに話をしていましたよね
A＞はい 杏寿郎さんの話をよく瑠火さんはしていました
杏寿郎＞どんな話をしていたんですか？
A＞強い人間になって弱き人を守れるそんな人になってほしいって
この言葉をきっと杏寿郎さんにも伝えていると思う。
じゃなきゃ今 隣で目を大きくして驚いていない。
杏寿郎＞母上は俺に自分が強く生まれた理由は弱き人を助けるためって言ってくれました
A＞それをちゃんと胸に杏寿郎さんは頑張っていたのですよね 凄いです
誰にも弱音を吐かないで。
両手を広げる。
A＞たまには誰かに甘えた方がいいです
ふんわりと抱きしめられる。
体格の差に凄く驚いた。
こんなにも大きい背中。
リズム良く優しく叩いているとすすり泣く声が聞こえる。
A＞杏寿郎さんはよく頑張りました
杏寿郎＞杏寿郎って‥‥呼んでくれませんか
A＞杏寿郎
杏寿郎＞はい
A＞沢山の人を救ってくれてありがとうございます
背中を握りしめられる感覚がした。
余程我慢していたのだろう。
確かに誰にも頼れない。
頼られる側だからこんな一杯一杯になって。
ゆっくりと流れる雲を見ながら泣き止むのを待つ。
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえて来る。
A＞槇寿郎さん 盗み聞きはよくありませんよ
闇から出て来る槇寿郎さん。
A＞こんなに頑張っている息子を見て貴方はまだ罵りますか？
槇寿郎＞俺は…
A＞死なせたくないのは分かります でも今この生きている間に仲直りしないと死んでからじゃ一生後悔しますよ
槇寿郎＞明日 杏寿郎と千寿郎に謝る
A＞はい とりあえず杏寿郎さんを運んで下さい 非力な私じゃ無理です
槇寿郎＞どこが非力なんだ
A＞非力です
杏寿郎さんを槇寿郎さんに引き渡す。
杏寿郎＞父上‥‥
久しぶりに息子に触れたのか知らないが成長を感じている槇寿郎さんがいた。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2020年11月1日 23時
