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まだ柱になったばかりの頃だ。
A殿と一緒に任務に就いた時 初めて彼女の呼吸は美しくそして怖かった。
大きな鬼と小さめな鬼が2匹。
A>杏寿郎さん 小さい方を頼みました
杏寿郎>A殿!
飛び出して行ってしまった。
灰色に1点の花が咲く羽織が揺れる。
もう俺の記憶にある泣いてばかりいた彼女はどこにもいない。
目の前には強く刀を握る神々廻殿だ。
A>灰の呼吸 零ノ型
その呼吸の型は煉獄家に保管されていた古い手記に書いてあった呼吸だ。
炎の呼吸から派生した呼吸法。
今までその呼吸を使っていた者は1人だけ。
2人目が目の前でその呼吸を使って戦っている。
鬼の太く硬い首を一線を引くかの様に切り上げる。
そして、鬼の大きな胴体に刀を刺す。
一瞬にして塵になる。
A>杏寿郎さん ご無事ですか!
土に刺さっていた刀を抜いてこちらに走って来る。
杏寿郎>あ、あぁ!
A>本当ですか お怪我はされていませんでしょうか
杏寿郎>神々廻殿 先程のは…
A>Aって呼んでください
杏寿郎>A殿!何故、鬼に刀を刺すのですか!
A>私の刀は妖刀です 皆さんが持つ日輪刀とは少し違うのです。
杏寿郎>普通の刀と言うことなのか!
A>いえ 少し扱いを間違えると体を乗っ取り杏寿郎さんや人間の皆さんも殺めてしまうのです
柄をしっかり握る。
杏寿郎>うむ それは危ない刀だ!
A>はい 危ないですよ
懐かしい夢を見ていた。
A殿と初めて任務に行った時のだ。
左手に何か柔らかいものがある。
視線をそちらに向けると目を閉じているA殿の姿。
外から差し込む月の光。
もうすぐ夜が明ける頃だろうか。
ゆっくりと左手を動かしA殿の髪を触る。
柔らかくずっと触っていたい。
いつの日か宇髄に言われた。
宇髄>早く嫁にしねぇと他の男に取られるぞ
確かにこの寝ている姿のA殿を他の男に見られたくない。
自分だけのものにしたい。
欲が強いだろうか。
A>んっ…杏寿郎さん?
杏寿郎>あぁ
A>私 いつの間にか寝て
杏寿郎>懐かしい夢を見た
A>どの様な
杏寿郎>A殿と街に出掛ける夢だ
A>随分と楽しそうな夢ですね
杏寿郎>今度街に出掛けないか?
A>はい!
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さら - こちらこそありがとうございます!!また煉獄さんのお話書いてくれて嬉しいです!!早速読みます!!頑張って下さい!! (2020年10月24日 22時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロ(プロフ) - さらさん» さらさん初めまして!こんなに長いコメント本当にありがとうございます とても読みやすいと言って頂けて作者滝泣きでございます。映画見るとまた違いますよね!一応 また煉獄さんのお話を書き始めているので良かったら見て下さると嬉しいです^^ (2020年10月24日 10時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!お話完結おめでとうございます!!とっても読みやすくて感動しました!!映画も泣けてこの作品では結ばれたのでよかったです!!冨岡さん推しですけど、映画見てから煉獄さんめっちゃ大好きになりました!!また鬼滅のお話書いて欲しいです!! (2020年10月24日 1時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2020年10月17日 0時