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表向きは豪華な屋敷は私の家だ。
元々ここに住んでいたご家族の方が取り壊しをするということを祖母から聞き譲り受けたのだ。
中はリノベーションしてあるので最新式の物ばかり。
A＞ただいま
ヘルメットとキーを靴箱の上に置いてブーツの紐を解き玄関に寝転がる。
A＞前世の記憶…か
この世にそんな記憶をもって生きている人がいるのだろうか。
いたら凄いな。
ポケットからぐしゃぐしゃになったソフトの煙草を取り出す。
半分まで減ったライターで火を付けると白い煙が辺りに漂う。
一口吸ってから体を起こして玄関で一服した後に拭くを洗濯物に放り込んで熱いシャワーを浴びる。
排水口に流れて行くお湯。
「師範！師〜範〜！」
誰かが誰かの事を呼ぶ声。
後ろには誰もいない。
ただの幻聴か。
相当自分が疲れているのだろう。
揺れた髪を拭きながらベットに寝転んでスマホを確認する。
A＞炭治郎から電話だ
でも時計を見ると日付が回っている。
どうせ明日の朝 彼の所に朝食を貰いに行くのでいいか。
そのままスマホも目も閉じた。
師範は凄く素敵な人で鬼を両親に殺された私を拾ってくれ育ててくれた。
いつから師範に恋心を抱いていたか分からないが気づけば目で追っている自分がいた。
でも想いは伝えない。
私は庶民の家で育った子。
師範は名家の長男だ。
どこの馬の骨か分からない私が師範と恋仲になんて無理。
気持ちに蓋をしよう。
死ぬまで。
勢い良く体を起こした。
乱れた呼吸を整えながらサイドテーブルにのっている水を一気飲みする。
A＞な‥‥に
私の声。
だけど私じゃない。
師範って誰。
鬼って何。
どうして涙が溢れ出てくるの。
心が痛い。
痛すぎる。
胸を握りしめるとタイミング良くアラームが鳴った。
夢だ夢。
いつも通り 朝の準備を済ませ朝ご飯を買いに炭治郎の所に向かう。
朝 メッセージが来ていて今日は裏口に来てと言われた。
A＞炭治郎〜？
禰豆子＞あ、Aさん！
A＞禰豆子ちゃん おはよう
禰豆子＞おはようございます お兄ちゃん呼んで来ますね
A＞はーい
しばらくすると炭治郎が出て来た。
炭治郎＞はい
まずは朝ご飯のパンを受け取り袋の中を確認すると今日はサンドイッチだった。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2020年12月9日 20時
