真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子９

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私は真名部くんにもらったピーマンの炒め物を２つまとめて口に運んだ。


私のその様子を見ながら真名部くんも私があげた卵焼きを口にする。


真名部「！…美味しいです」


A「でしょー。中にクリームチーズ入ってるの」


真名部「こんな美味しい卵焼き初めて食べましたよ」


自分が作った物を大好きな人に美味しいと言ってもらえるのは単純に嬉しくて、自然に笑顔になる。


A「えへへっ、ありがと」


真名部「卵１個につき砂糖が何ｇなのか気になるところです」


こんな事まで数字の話に持っていく辺りはさすが真名部くんだ。


A「目分量だからいちいち量ってないよ。何回も作ってたら体で覚えるし」


真名部「そうなんですか？……というかまるで自分が作ったような言い方ですね」


A「そりゃあ作ったの私だもの」


真名部「えぇっ！？そうだったんですか！？」


A「嘘ついてどうすんのよ」


真名部(手作り……Aさんの手作り……)


真名部「そ、それなら最初からそう言ってほしいものですね」


照れ隠しの為なのか真名部くんはいつものようにメガネの中心部をいじる。


A「だって食べる前に言っちゃったらそういう先入観で補正かかっちゃうでしょ？美味しくなかったとしても言いずらいと思うし。正直な反応見たかったんだもん」


真名部「…なるほど。理解しました。他のおかずもAさんの手作りですか？」


A「カニクリームコロッケとさっきあげたからあげ以外は私の手作りだよ」


真名部「そうですか」


そう言いながら真名部くんはじーっと私のお弁当の中身を覗いている。



A「他のおかずも交換する？」


真名部「はいっ！」


真名部くんは嬉しそうに歯切れのいい返事をしてくれた。


やっぱりもっと食べたいと思ってくれていたのだと思うと嬉しさが止まらない。


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