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A「―――真名部くん」
真名部「は、はい…」
私は真名部くんの両腕を掴みながら、真剣な目で真名部くんを見つめた。
真名部くんは緊張し、何を言われるんだろうと不安そうにしながらも、目をそらさずに私の目をちゃんと見つめてくれていた。
A「真名部くん、よく聴いて」
真名部「……はい」
A「『きっとAさんはこう思っているだろう』っていう『真名部くんの考え』という数式には、」
A「『周りの人の話の内容』が代入されてるだけであって、そこには『Aさん本人の意見』が加えられていないの」
真名部「!!」
真名部くんはハッとした表情をした。
A「だから『Aさんが本当はどう思っているのか』って事を求められなくて、その結果『自分がどう行動するのが適切か』っていう『正しい答え』に辿りつけなかった。…これでどう?」
少し間を置いてから真名部くんは話し始めた。
真名部「……なるほど。納得しました。実にわかりやすい説明の仕方です」
A(良かった……真名部くんがわかってくれた……)
私はホッとして一息ついた。
自分で考えて言っておいて何だが、それまでの説明で納得できなかったのに、こんな説明の仕方を1番わかりやすいと思うなんて、真名部くんは本当に計算人間なんだなぁとほほえましく思った。
真名部(読矢くんが言ってたのは、そういう事だったんだ……)
真名部「……僕は、自分の中の数式でしか、Aさんの気持ちを導き出していなかったんですね」
A「そうだよ」
考え疲れた私はしれっと返した。
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野生のスタッフ(プロフ) - すだちゆさん» おおおお!!ありがとうございます!!読矢くんは公式じゃモブみたいなものなので(笑)この話に出すにあたって「誰だよこいつ知らないしどうでもいいよ」ってならないようにしなきゃっていうのをすごく意識して作ってるんですよ。なのでそう言っていただけて嬉しいです! (2014年7月14日 22時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
すだちゆ(プロフ) - こちらにもコメントさせていただきます!もうこの話のおかげで私の心臓がやばいっす…夢主ちゃんも真名部くんも良すぎて…仲直りのシーンを思い出してはにやにやしてしまいます←今後和人や読矢くんとはどうなるのかも気になりますね〜(^○^) (2014年7月14日 22時) (レス) id: 54fc04f119 (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 龍桜丸さん» 今回の真名部とのシーンはもう何回も書き直してようやくできたものなのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。 当初はもっとあっさり仲直りする予定だったんですけど、入れないと繋がらないな、不自然になるなって描写入れたりしてたらこんなに長くなりましたw (2014年5月30日 14時) (レス) id: ec04b12eb2 (このIDを非表示/違反報告)
龍桜丸 - やっぱり今回のお話もすごかったです。夢主ちゃんのことばや謎を残して次回へ繋げるところなどでは説得力があったり、読者に期待を持たせることがうまく出来ていて、本当に素晴らしいお話でした。そういう点で、本当に尊敬します。 (2014年5月30日 1時) (レス) id: 71d99a5684 (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 美桜さん» 今回も読んでくださってありがとうございます! 本当は昨日のうちに上げる予定だったんですけど投稿しようと思ってた時間帯がちょうど占ツク鯖落ちしてたので今日になってしまいましたw コメント励みになります! ありがとうございました! (2014年5月29日 0時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生のスタッフ | 作成日時:2014年5月28日 14時