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私と和人は家から持ってきたオレンジ色のレジャーシートを広げ、その上に並んで腰を下ろす。
坂だけど階段の上に座れているおかげで地面は平たく、下に飲み物を置いても大丈夫だ。
皆帆「良い場所取れて良かったね」
A「うん。早く来なきゃ座れないもんね」
見渡すと、既に結構な人数が堤防に座り、待機していた。
皆帆「やっぱり今年も結構人来てるね」
A「うん」
周りを見回していた和人だったが、次の瞬間には私に視線を向けていた。
焦げ茶色の甚平姿の和人と目が合う。
皆帆「ここにはたくさんの人が居て、その中には当然女性も多く居るけど、それでも僕の目にはAが1番可愛く映っているよ」
A「……。ありがとう」
こういう時、もしもそう言ってくれた相手が自分が恋している相手なら、私からもあなたが1番だと言っていたのかもしれない。
A「とりあえずおなかも減ったし食べよっか」
皆帆「そうだね」
辺りは薄暗くなってきていたが、まだ花火が始まるまでは1時間以上ある。
その待機中に屋台で買ってきた物を食べながら話をして過ごすというのが恒例になっているのだ。
私と和人は買ってきたお好み焼きやチョコバナナをもぐもぐと食べる。
A「えへへ。おいしい」
皆帆「そう言ってくれると買った甲斐があるな」
A「ありがとう。和人のおかげで楽しいよ」
皆帆「僕も浴衣姿のAと2人でお祭りや花火なんて、嬉しくてしょうがないよ」
1年前は栄都を受ける為の受験勉強で忙しくて来れなかったし、5年生や4年生、3年生の時も来たには来たが、女子の友達と来ただけで和人とは別行動だった。
小さい頃はお母さんやお父さんも一緒だったし、こうして考えてみると私と和人の2人だけで遅くまで花火を見に来るのは初めてかもしれない。
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野生のスタッフ(プロフ) - 【作者コメント】 2014年9月26日最終更新→2016年8月13日非表示になってた画像を再度表示させる為更新 (2016年8月13日 14時) (レス) id: 6d9ccb8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
岩紫望 - 野生のスタッフさん» どういたしまして(゜_゜>) 頑張ってください。 (2014年5月28日 20時) (レス) id: 3a7256021d (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 岩紫望さん» 応援ありがとうございます。 とても励みになり、先ほど無事にこれの続きのパート7を投稿できました。 ありがとうございます! (2014年5月28日 15時) (レス) id: 6d9ccb8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
岩紫望 - 野生のスタッフさん» 私の友達でもいるんです。その子はいつもキラキラしてて笑ってて… 無理しない程度に頑張っていただければ幸いです。 (2014年5月20日 21時) (レス) id: 3a7256021d (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 岩紫望さん» はい。病人です(^^;) でも心はまだ元気なのでたぶんまだ大丈夫ですw 応援ありがとうございます! (2014年5月19日 21時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生のスタッフ | 作成日時:2014年5月13日 19時