真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子６

――180―― ページ5

、

皆帆「A、最近テンション高いよね」


A「うーん……言われてみれば確かにそうかも」


皆帆「学校がある日は特に、どんなに大変な状況だろうと無理にでもやっていく為に自分を奮い立たせて頑張っている」


皆帆「最近Aのテンションが高いのはAがそうやって大変な状況でも負けまいと頑張っている証拠…いや、根拠になり得ると僕は見ているんだけど、どうかな」


A「……」


皆帆「当たりでしょ」


こうやって和人が私の領域に入ってくる事は想定内だ。


追求されるのは嫌だけれど、真名部くんと何があったのか詳しい事さえ言わなければいいやと思った。


A「んー…、まぁね」


皆帆「だけど今はそのエンジンも切れかかっているようだ」


本当によく見ていて、よく気が付く子だ。


A「…うん。今日学校無いしね。確かに失速中だね……でも大丈夫」


A(勉強はちゃんとしなきゃ…)


こんな程度の事で勉強が手に着かなくなって

来年から私だけ下のクラスに落とされて、クラスまで真名部くんと離れてしまうなんて、


そんなのはもっと嫌だ。


A(実力で来年もこのクラスに残ってやるって読矢くんにも大見え切っちゃったし)


来年も真名部くんと一緒のクラスで居たいのなら、どんなに辛かろうと勉強で上位に居なければならないわけなのだが


A(頭ではわかってるのに集中できないなんて、私も本当、まだまだだなぁ…)


私が机の上でうなだれていると、和人は思い出したように口にした。


皆帆「そうだA。今日天河原の花火大会だからさ、一緒に行こうよ」


A「……花火大会かぁ…」


、

――181――→←――179――

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す