真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子６

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真名部くんはいきなりすぎて目の前の光景を受け入れられていないのか、直立不動状態だった。


何だ何だと他のクラスや他学年の生徒が集まってくる。


そして周りから「汚い」「何これ」などと言われてしまっていた。


読矢「すみません！今すぐ片付けるんで！」


そんな真名部くんの近くで、別の給食のバケツを持った読矢くんが他の生徒に対し慌てて謝っていた。


読矢「俺とりあえず今運んでるの教室持ってくから。んで拭く物持ってくるから真名部はそれまでティッシュか何かで拭いてて」


真名部「………はい……」


読矢「雪地達は別の階段から回って教室で配膳お願い」


雪地「了解」


読矢くんは２階への階段を上りきった所に、真名部くんはあと３段ほどで上りきるという所に、雪地くん他男子は階段下の踊場に、こぼれた汁物を避けて居た。


こぼれた汁物は真名部くんが居るよりちょっと下の辺りから下の踊り場まで、階段いっぱいに広がっていた。


これでは片付くまで誰も通れない。



私はあっけに取られていたが、しばらくしてはっとした。


A(私も手伝わなきゃ！)


私は人混みの中を教室に戻ってゴミ箱を持ち、更に女子トイレから予備のトイレットペーパーを３ロール持って問題の階段へ向かった。


そして渋々自分の持ちティッシュを床の汁に浸している真名部くんが視界に入る。



周りには相変わらず状況を見に来た生徒がたくさん居た。


女子「なんか廊下ヤバいんだけど」


女子「うわー！階段汁まみれ！どうすんのこれ」


女子「ていうか誰がやったの？」


女子「拭いてんの１年だから１年の人じゃない？」


女子「悲惨だねー」


女子「給食の後ならともかく食べる前だからクラス中から大ひんしゅくだよね…」


真名部「………」


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