真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子６

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、

皆帆(Aには悪いけど、僕はAにこんな想いをさせている真名部くんに少し感謝している)


これを機会にAが真名部くんを諦めて、好きじゃ無くなればいいと、そう思っている。


『Aを傷つける奴は誰だろうと許さない』なんて

そんな格好良い事は僕は考えない。


Aを大切に思っている事も、Aに後悔してほしくない、笑顔で居てほしいというのも本当の事で、嘘偽はない。


ただ、僕はAが好きだから


ずる賢いから


プラス思考だから


こうやってAにとっては辛い事でも


自分の希望や可能性を見出だしちゃうんだ。


そしてその僕の希望で、Aを幸せにできたら良いと思っている。


Aが傷つくような出来事でも、それがAの気持ちを僕に向かせるチャンスになるなら、


僕にとっても、長い目で見ればAにとっても、十分プラスな事だ。




和人が足を絡め、体を密着させてくる。


和人の体の熱が私の体に伝わってくる。


皆帆「ほら、A。今夜はいっぱい、僕に甘えて良いんだからね」


A「…うん……ありがとう」



弱さに付け込んで優しくするのは悪い事だろうか。


僕はそう思ってない。


皆帆(お互いそれで幸せを感じられるなら、僕らにとってはそれで良いのさ)




和人に夜中ずっと抱きしめられながら、私は真名部くんと仲良くなる前の自分を思い出した。


そして気付く。


もう、真名部くんと仲良くなる前と同じように、『避けられて当たり前』『無視されて当たり前』という心構えでいこうと思った。


マイナスな事をマイナスとして捉えるのではなく、


ゼロとして捉えるのだ。


そうすればどんなに避けられても無視されても傷つかずに済むと思うし、


もし少しでも返事が返ってくればそれだけでプラスに捉えられる。



私を抱きしめながら眠る和人の腕の中で、

きっと和人の並々ならぬプラス思考が私にも移ったのだと、

そう思った。

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