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A(私、結構真名部くんにとって自分は大きな存在だと思ってたんだけど、うぬぼれだったのかなぁ……)
A「はぁ……。なんだか今まで仲良くなる為に頑張ってきた事が全部無駄だったみたいで悲しいな……」
私がそうつぶやくと、隣に座っている和人はいつものようにアゴに片手を当て、少し考えてから話し始めた。
皆帆「ねぇA」
A「ん?」
皆帆「僕はね、この世界には最初から要らなかった物なんて、1つも無いと思うんだ」
皆帆「例えばさっき食べ終わって今ゴミ袋にまとめて入れて後で捨てようとしているお好み焼きやタコ焼きのゴミだって、元はケースとして必要な物だった。廃棄されるのはその役目を終えたからだ」
皆帆「僕らが普段あまり意識しないだけで、それを作っている人が居て、その人はそれを作る事で給料をもらい生計を保ってる」
皆帆「最初から必要ない物なら最初から作られていないんだ」
皆帆「僕らにとってどうでもいい、必要ないと思う物だって、別の誰かにとっては必要な物かもしれない」
皆帆「この世界には、誰かに必要とされている物で溢れているんだ」
A「……」
皆帆「ね?見方を変えれば世界は変わるよ」
和人のその言葉が、なぜだか私の心に大きく響いた。
皆帆「……だからって繋げるのも変かもしれないけど、Aが頑張ってしてきた事に、無意味な事なんて1つも無いと僕は思う」
皆帆「たとえ望んでいたような結果に繋がらなかったとしても、それは十分意味のある事だ」
皆帆「簡単に言えば人生経験ってやつかな? それを無意味なものとして捉えて本当に無駄なものとしてしまうか、」
皆帆「その経験を今後に活かす為に意義あるものとするかは、A次第だ」
和人の言葉が私の心を風のように吹き抜ける。
まるで、私の心にはえていた雑草を刈り取ってくれたような、
そんな感覚だった。
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野生のスタッフ(プロフ) - 【作者コメント】 2014年9月26日最終更新→2016年8月13日非表示になってた画像を再度表示させる為更新 (2016年8月13日 14時) (レス) id: 6d9ccb8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
岩紫望 - 野生のスタッフさん» どういたしまして(゜_゜>) 頑張ってください。 (2014年5月28日 20時) (レス) id: 3a7256021d (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 岩紫望さん» 応援ありがとうございます。 とても励みになり、先ほど無事にこれの続きのパート7を投稿できました。 ありがとうございます! (2014年5月28日 15時) (レス) id: 6d9ccb8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
岩紫望 - 野生のスタッフさん» 私の友達でもいるんです。その子はいつもキラキラしてて笑ってて… 無理しない程度に頑張っていただければ幸いです。 (2014年5月20日 21時) (レス) id: 3a7256021d (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 岩紫望さん» はい。病人です(^^;) でも心はまだ元気なのでたぶんまだ大丈夫ですw 応援ありがとうございます! (2014年5月19日 21時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生のスタッフ | 作成日時:2014年5月13日 19時