真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子５

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読矢「自分の殻にこもったままお前が１人で勝手に困るだけなら俺もこんな事言わないけどさ、傷つくのはAもじゃん。そこらへんちゃんと考えろよ」


真名部「……考えてますよ…。考えてるから……だからAさんが周りに悪く思われたりして傷つかないようにって、こんなに辛く悲しい思いをしながらも、僕はAさんから離れて、突き放してるんじゃないですか…！」


真名部は両目からぼろぼろと涙をこぼした。


真名部「僕だって本当は……本当は堂々とAさんと仲良くしていたい…一緒に居たいですよ…！」


読矢「だからそれをAに言ってやれって」


真名部「でも…僕がAさんと仲良くしたら、また……」


読矢「はぁ…だからさ……まじでお前、Aの何を見てるんだよ」


真名部「え…？」


読矢(Aがそんな事でお前との関係切るタマかっつーの。それだったら友達にお前のあんな話聴かされた時点で最初っからお前に歩み寄ってないんだよ！)


読矢「そこはお前が自分で気付かないといけないところだろ。俺は言うだけの事は言ったし」


読矢(ってほとんど答え言ってるようなもんなんだけどな…)



真名部「……でも…僕にはどうしていいか、わかりません…」


読矢「……」


真名部「……」



読矢「……成績も良くてAが入学当初からずっと気にしてるからどんな奴かと思ったら、私生活はとんだバカだな…」


真名部「バカってなんですか！」


読矢「いいから落ち着いてちゃんと考えろって。お前がこれからどうすべきなのか。すぐにはわかんなくてもさ」


真名部「………」


読矢「お前だってこれ以上Aに辛い思いさせたり、悲しませたくないんでしょ？」


真名部は静かにうなずいた。



真名部(…僕はただ、Aさんに迷惑かけたくないから、こうして無理にでも距離を取っているだけなのに)


僕はAさんの事


そんなに何も見えていないんでしょうか

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