真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子５

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、

A(……そうだよ。今までだって、)


仲良くなるまでだって、どんなに簡単にはいかなくったって、あんなに頑張ってきたじゃない。


だから今回もきっと大丈夫。


そう思って私はその日の放課後、一度教室を出て帰るフリをしてから教室の後ろにこっそり残った。


作戦はこうだ。


真名部くんに気付かれ無いようにこっそりと背後から接近し、座っている真名部くんに抱き着き、『ちゃんと理由を言ってくれるまで離さない』と言う。


その為に教室にまだ人が居た時からずっとドアを開けたままにしておいた。


仲良くなる前の最初の頃は気付かれていたみたいだが、最初からドアが開いているならドアの開け閉めの音で気付かれる事は無いだろうし、

座っている状態の真名部くんを上から抱きしめてしまえば、抵抗されても体重を乗せる事で逃れられないようにできるだろうと、


そしてその状態で避ける理由を話すまで離さないと言えば、真名部くんも話すしかなくなると、


そういう寸法だ。


A(よし、完璧…！)


勉強の邪魔をするなんて本当はやりたくない事だけど、


こうなったら最後の手段だ。



真名部くん以外誰もいなくなった教室にこっそりと入り、抜き足差し足で接近する。


真名部くんは机で私とおそろいではないシャープペンシルを走らせている。


が、途中でピタッと動きを止めた。


真名部「………」


気付かれただろうか。


もうヤケになってそのまま走って近付き飛びついてやろうかと思った、その時だった。



真名部「何度言えば理解できるんですか？」


A「！」


真名部くんは厳しい口ぶりでそう言い放ち、こっちを振り向いた。


抱き着く前に気付かれてしまった。


作戦は失敗だ。


真名部「何度も言わせないでください。あなたとはもう一緒に居たくないと、近付いて来ないでくださいと言ったはずですよね」


胸が苦しい。


A「……っ」


言葉が詰まる。


大好きな人に面と向かって拒絶されるのがこんなに辛いなんて、と、慣れない心の痛みを感じながらも、


そんな事で諦めてたまるかと思った。


、

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