真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子５

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そして私は小テストが終わってから自分がやってしまった事に気付いた。


A(アンダーライン引いちゃってた……借り物なのに！ついついいつものクセで！自分の単語帳じゃないのに！せっかく厚意で貸してくれたのに！)


A「ごめんなさいごめんなさい本当にごめんなさい！」


いつも小テストをやっている朝の会直後の休み時間に、私は単語帳の持ち主の読矢くんに全力で頭を下げ謝った。


A(今日の私、ダメ過ぎる…)



読矢「これくらい大丈夫だから気にしないでよ」


A「ありがとう…」


A(ちゃんと気持ち、切り替えなくちゃ…)


前の方の席の真名部くんが視界に入る。


いつの間にか勝手に目が追っている。


読矢「…あのさ、Aちゃん最近真名部に振り回されすぎじゃない？」


よくわかってるなと思った。


A「…私も本当にそう思う」


真名部くんの事なんか気にしないでいつも通り勉強して生活していたはずだったのだが、私は思った以上に影響が出ていた。


A(どんだけ私にとって真名部くんの存在大きいのよ…)


こんなの、入学当初に戻っただけだと思えばいいだけなのに。


しばらく真名部くんと仲良くしていたからか、いつの間にか隣に居るのが当たり前になっていて、


真名部くんを意識する前の頃の気持ちなんて、すっかり忘れてしまった。


もうどうしてあの頃真名部くんとしゃべらないで平気で居られたのか、全然思い出せない。



読矢「…まぁ俺が口出す事じゃないと思うから真名部との事はこれ以上何も言うつもりないけどさ、１時間目理科で教室移動だよ。用意しなきゃ」


A「え？今日理科なんてあったっけ」


読矢「……今日木曜日だよ？」


A「……今日って金曜日じゃなかったっけ…」


読矢「いや木曜日だし…。てか周り見てみなよ。皆理科の教科書ノート出してる」


周りを見てみると本当にその通りで、真名部くんを含むクラスメイトはちらほらと教室移動を始めていた。


A「………」


読矢「……まさかとは思うけどさ…」


A(……持ってくる時間割の曜日まで間違えた…！)

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