真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子３

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A「良かった…思ってたよりツッコまれなかった…」


真名部「弟さんですか？」


A「うん。弟って言っても双子だから歳も学年も同じなんだけどね」


真名部「そういえば双子って言ってましたもんね」


公衆電話からお釣りを取り出し、また再びホテルに向かって２人で歩き出した。


A「ケータイ持ってなくて良かった…。持ってたら本当に友達と一緒に居るなら写メ送って見せてーとか言われかねないよ」


真名部「……随分警戒心の強い弟さんなんですね」


A「まぁ友達と一緒って事は嘘じゃないけど、男と一緒で、しかも一晩中２人きりかもだなんて知られたら後々面倒だから…」


真名部「だからホテルって事は伏せてたんですね」


A「そうそう。真名部くんでさえ勘違いしたのにそこまで言えないよ…」


真名部「…あの、嬉しかったです。『やっと仲良くなれた友達』って言ってくれた事…」


A「だって仲良くなりたいと思ってから仲良くなれるまで結構長かったんだもん」


真名部「…すみません」


A「ライバル視はしてたし今もしてるけど、それは元々冷たく当たってきてた真名部くんに私の事を認めさせたいって気持ちが根本にあったからなわけだし、本当はずっと、こういう風に仲良くなりたいって思ってたんだよ？」


ちゃんと目を見てそう言うと、真名部くんは真剣な顔で私を見た。


真名部「僕も、…僕もAさんとのこの友好関係、大事にしていきたいと思っています…！」


力のこもった真名部くんの声が私の心に響く。


A「うん。ありがとう」


私は笑顔で返した。


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