真名部】ライバルと書いて【皆帆と双子２

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真名部「それにしてもAさんは、勉強ばかりの僕を悪く言わないんですね」


A「当たり前じゃない。むしろそこは長所だよ。何も後ろめる要素ない。クラスの人達も別に真名部くんの事そんなに悪く思ってないと思うよ？」


真名部「そうだといいですけど…」


A「……。ネガティブになったら目に映る人誰もが自分の事嫌いなんじゃないかって思っちゃう事あるけど、実際はそんな事ないものだよ。逆に、自分が嫌われてると思い込んで言った言葉や取った行動で相手に嫌な思いさせて本当に嫌われてしまうって事の方があるあるな気がする」


真名部「…なるほど…」

真名部くんはいつものように片手でメガネをずらす動作をした。



真名部「Aさんの認識を改めなければなりませんね」


A「え？」


真名部「昨日の事も、さっきの教室での事もそうですが…Aさんがまさか僕の事をこんな風に見てくれてたなんて、…僕は最初の頃、Aさんの事を結構誤解していたんですよ」


A(誤解…？)


真名部「僕は、友達とよく一緒に居る人は勉強を疎かにしてる人ばかりだと思っていました。…何しろ、僕は親にそう教育されてきましたから」


真名部「だからよく友達に囲まれているAさんを見て、この人もそうなんだって勝手に思っていました。でも実際はそうじゃなくて、ちゃんと頑張っていて…」


A(私が真名部くんの頑張りを見ていたように、真名部くんも私の頑張り、見ててくれてたんだ…！)


真名部「小学校の時仲良くなった人は、僕の『勉強の邪魔になるから』って、『悪影響だからこれ以上うちの子に関わるな』って、僕の親にそう言われて皆離れていったんです」


A(メイアちゃんが言ってたのはやっぱりこの事なのね…)


真名部「僕は僕で友達が自分から離れていくのが辛くて、『彼らは交遊関係にかまけて勉強疎かにしているんだ』と見下すことで合理化し、自分が傷つかないように感情をコントロールしていたんです」

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