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そうこうしてるうちに、別の男子の、穏やかさに欠ける発言や音が準備室の中から聞こえてきた。
男子「お前トロい!マジでジャマ!」
影浦「………ごめん」
A(な、何…?)
カランカランというポスターカラーの容器が複数床に落ちたような音もして、私は少し驚いた。
冴渡(またか…)
視界にある準備室の出入口を見ていると、さっき冴渡先輩と挨拶していた先輩達とはまた別の男の先輩が2人、ポスターカラーの容器を1つずつ持って出て来た。
生徒が美術の授業で使うような、絵の具みたいに小さい容器ではなく、縦横奥行き共に10cmはある、プラスチック製の容器だ。
重さと大きさ的に5つ以上を1人でいっぺんに運ぶのは困難なしろ物である。
準備室の中を覗いてみると、暗く狭いスペースの中、いくつものポスターカラーの容器や絵の具の水入れが床に落ちている。
それに混じって、白くて長めの髪で両目が隠れている、頭にメガネを乗っけた男子が床に転んでいた。
男子「あとは全部お前が持って来いよなー」
先に出て来た男子2人は床に落ちた物を拾う手伝いをするでもなく、さっさと階段を上がっていってしまった。
転んでいる方の先輩らしき人は、どうやら先程出ていった男子に押された拍子に棚に置いてあった物を引っ掛けて転んでしまったようで、少々参っていた。
A「えっと…今の人達も先輩のクラスの人…ですか?」
冴渡「いや、あれはC組の連中だね。今転んでるのは元サッカー部でキーパーやってた影浦。あいつもC組だよ。学年は僕と同じ2年だけど」
A「そう…ですか…」
サッカー部のキーパーという言葉を聴いて、私は何となく、どうしてこういう扱いをされているのか想像出来てしまった。
私は先週先輩が言っていた言葉を思い出す。
冴渡『……僕がたまたま大丈夫だっただけだけどね』
A「………」
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野生のスタッフ(プロフ) - 優子さん» パート1から見てくださったんですね!ありがとうございます! コメントをいただいた時、ちょうどこれの続き(パート13)を仕上げているところで、やっぱりこれは面白くないんじゃないかって不安になっていたので、とても勇気づけられたんです。ありがとうございます! (2015年3月27日 23時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - リベロさん» 励ましのお言葉ありがとうございます…! おかげさまでパート13、先日無事に投稿することができました!ありがとうございます! (2015年3月27日 23時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 野生のスタッフさん» はじめまして!作品part1から全て見させていただきましたが、めっちゃおもしろかったです!!続編も楽しみにしてます!頑張ってください! (2015年3月23日 16時) (レス) id: e909545786 (このIDを非表示/違反報告)
リベロ - 僕なんかのことをそんな風に......(涙)...ありがとうございます。僕も、この作品に色々勇気を貰います。これからも更新頑張ってください。よろしくお願いします。 (2015年1月26日 22時) (レス) id: b43f80350a (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - すだちゆさん» こちらこそ今回も読んでくださってありがとうございます…! 本当は真名部くんに見せてからの話も今回のパートの中に入れる予定で書いていたのですが、載せようとしたらどうやらページ数オーバーとなってしまったようで…; 次回に回す形になってしまいました; (2015年1月23日 2時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生のスタッフ | 作成日時:2015年1月21日 18時