滑稽ですね、スリザリン (ページ4)

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｢エバンズ、リリー！｣

リリーは震える足で進み出て、マクゴナガル教授が組み分け帽子をリリーの頭に被せた
すると、深みのある赤い髪に触れた瞬間、一秒とかからずに帽子が叫んだ

｢グリフィンドール！｣

セブルスは小さく呻き声を漏らした

昔からセブルスはリリーの事が好きだったのだ。目の前で好きな人が好ましくないグリフィンドールに入れられて不機嫌にならない奴がどこにいる

セブルスは改めてリリーを見た
歓迎に湧くグリフィンドール生の席に行っている
しかし、その途中でセブルスをチラリと振り返ったリリーの顔には、悲しげな微笑が浮かんでいた

点呼が続いた

｢ルーピン、リーマス！｣

｢ペティグリュー、ピーター！｣

｢ジェームズ、ポッター！｣

｢ルーカス、A！｣

Aは前に進み出た
髪が黒髪の長髪だから雪のように白い肌がより引き立っている。
髪をなびかせ、堂々と丸椅子に向かって行く

周囲の人々が息を飲む

なんて美しいんだ、と

セブルスもその一人だった。
彼の美貌には皆が目を奪われる

｢綺麗…｣

セブルスの隣に居た女子生徒が呟く
その通りだろう、とセブルスは思った

｢ふむ…これは難しい……君には色々な素質がある。狡猾さ、その鮮明な頭脳、目的に対する忠実さ…しかし、君にはグリフィンドールの素質が備わってはいない｣

『はっ…当然だな。俺はグリフィンドールには値しない。赤は嫌いなんだ』

｢はっはっ…そうか、そうか。なら私の選択が間違いで無いことを祈ろう。君は……スリザリン！｣

フッと笑みを浮かべ、歓声が上がるスリザリンの席へ急いだ。

｢スネイプ、セブルス！｣

あぁ、僕の番か、とリリーを横目に見ながらセブルスは丸椅子へと移動する
自分でも結果は分かっていた

｢スリザリン！｣

僕にグリフィンドールは似合わない
ああ、本当に理不尽だ

セブルス・スネイプはリリーから遠ざかるように大広間の反対側に移動し、スリザリン生の歓迎に迎えられた

『………』

無言で組み分けを見ている彼の隣に座る
すると、真正面に座っていたローブに監督生のバッジを胸に光らせているルシウス・マルフォイに握手を求められた

｢やあ。ルシウス・マルフォイだ。困った事があったら僕に聞くといい｣

セブルスは握手に応じた。
Aも握手には応じたが、目は彼の方を見てはいなかった