総合マネージャーは男前

情報 ページ40

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side 石川




あのお泊まり会の日が終わって、しばらくたった。

Aさんの怪我はよくなってきてる。

だけどまだ無理な動きはできないから、ゲーム練に彼女が参加することはなくて…。

俺と同じチームでゲームをしたことがないから、正直、彼女のトスが打ちたくて仕方がない。

しかも、ずっとパソコンと向き合っているから、バレーしたいだろうなと思っていた。

そんな彼女が、




藤井｢よっ｣

｢うっ…｣

藤井｢…ほら！こい！｣

｢おりゃ！！｣

藤井｢うおっ！おいおいおい｣

｢へっへーん｣




…藤井さんと対人をしていた。

自主練をしようと、ご飯を食べて来てみれば、体育館の電気がついていて、

Aさんと藤井さんが、それはそれは楽しそうに対人をしていた。




石川｢Aさん動けるじゃん！｣

｢うわっ、びっくりした石川くんか｣

石川｢トスあげてよ｣

｢藤井さんいるじゃん｣

藤井｢そーだそーだ。俺があげてやる｣

石川｢…うっす｣

｢その代わり石川くんのスパイク取らせてよ｣




は、絶対なめられてる。

いくらAさんでも、女が取れるスパイクなわけないじゃん。

そう思ってたら、体育館の扉が開いて、山内さんと太志が入ってきた。




山内｢なにしてんの？自主練？｣

石川｢まあ、はい｣

小野寺｢え、は、Aなんで動いてんの！｣

｢もうそろそろいいかなって｣

小野寺｢…マサさんが無理してたら怒ってたくせに、自分はいいんだ｣

｢私は全日本じゃないし？｣




太志、ごもっとも。

たとえ全日本じゃなかったとしても、今Aさんが欠けたら相当困るはずだ。

分析力や情報網には本当に助けられているから。

ちょっと前に西田がAさんに、｢情報ってそんなに大事ですか？｣って聞いていた。

そんなのいちいち気にしていられないという気持ちもわかる。

だけど彼女は言った。

スパイカーにはスパイカーの、ミドルにはミドルの、リベロにはリベロの、セッターにはセッターの、知っておくべき相手の情報があると。

特にセッターは相手チームを誰よりもよく知らなければならない。

セッターがどこに、誰にあげるかで、試合を大きく左右するからだ。




石川｢藤井さん、あげて｣

藤井｢おし来た。じゃあ、Aちゃんは跳ね返ったやつ取りなよ。祐希がブロックアウト取るから｣

山内｢…させねぇ。止めてやる｣

小野寺｢思いっきりこい祐希｣

｢OK、A、ワンチ取る｣




…なんでカタコト？




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