顔見せろ ページ32
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関田「Aって料理できるんだな」
「そりゃできますよ。これでも女ですからね」
関田「…確かに、デカいな」
「関田さんは小さいですね!かわいい」
関田「…」
「いた!無言で蹴らないでください!」
どうしてバレー選手って身長をいじられると無言で蹴ってくるの?
理沙さんとか、理沙さんとか、…理沙さんとか。
…理沙さんしかいないけど。
とは言っても、関田さんとは5cmくらいしか変わらない。
だけどされど5cmだ。私がちょっと見下ろすくらい。
「なんか不思議な感じがしますね」
関田「なにが?」
「だってあんなに憧れてた人がこんなに近くにいて、いまこうして普通に話せてるんですよ?」
関田「まあ、な」
「すごい夢みたい」
ジュージューと焼けるハンバーグの音と、みんなの笑い声。
隣に関田さんの気配。
…なんか、夫婦になったみたい?
…やだ照れる。
関田「…それ言ったら、俺もだよ」
「え?」
関田「毎日残って練習して、俺を目指してる、ひとつ年下の女の子」
「…あは」
関田「ぜってーできないだろってところに痣作ってて、いつも指にテーピングしてる」
「…」
関田「…そして、授業中によく居眠りをしてた」
「なんでそんなことまで知ってるんですか!」
関田「…見てたから」
俺と同じフォームの子なんて、気にならないわけがないだろ。と、関田さんが言う。
ぱっと関田さんの顔を見ると目が合って、一瞬だけ、時が止まった気がした。
…そんなに?そんなに気にしてくれてたの?
こんな、目立つことなんてない、後輩の私を?
関田「いつも真っ直ぐに頑張ってるお前に、憧れた」
「…うそ」
関田「話してみたいと思った」
「話しかけてくれればよかったのに…」
関田「…いや、だって、ずっと見てるって変態みたいじゃん。ちょっと恥ずかしいし」
「…今は私が恥ずかしいです」
関田「…また照れてんの?」
「照れてません」
関田「顔見せろ」
ハンバーグを裏返して、火を弱火にする。
ずっとフライパンを見ていないと、赤くなった頬がバレそうで…。
なのに関田さんは私の顔を覗き込んできた。
私が一歩下がると、両手で頬を挟んできた。
頬が熱すぎて、関田さんの手が冷たく感じる。
関田「…やっぱ照れてんじゃん」
「…照れてませんから」
関田「この赤さと熱さはなんだ?」
「気のせいです…」
関田「ふはっ、かわいいやつ」
もう、本当に、ずるい人。
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エマりん - 読んだら感想を仲良し芸能界で! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!はい、読みたいです! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 貴方の作品を見てみてすごいと思いました!だから私の作品も見てほしいなぁって思いました…読んでくれる?作品名は仲良し芸能界です!高評価お願い! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!!はい!ぜひ!友達申請お待ちしております!! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - めちゃくちゃ良かったです!友達になりませんか? (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年10月23日 21時